ひよたん
@pandanokurage
ひ:ジーッ
〇:、、、
今日は土曜日、昼間から出勤すると
ひよりが「どうしたの?」と声をかけてほしそうにこちらを見つめている
声をかけたくない訳ではないが、無言のままにしてみることに
ひ:ジーッ
〇:、、、
僕がスマホをいじり始めると、ひよりは立ち上がり僕の後ろを通ってどこかに行った
そろそろ仕事が始まると思い、立ち上がると
ドンッ
背後でなにかにぶつかった
すぐに振り向くと
ひ:ンフフフッ
必死に笑いをこらえているひよりがいた
〇:なんでいるの!?
ひ:〇〇が構ってくれないからずっと後ろにいたんだー!
行動が不思議すぎて少し恐怖を感じた
〇:、、早く行くよー
ひ:はぁーい
仕事が始まるが、店内にお客さんがいないと暇だ
ボーッと外を眺めていると
ひ:ねぇねぇ!
同じく暇な時間を過ごしていたひよりが声をかけてくる
〇:なに?
ひ:来週の土曜日ひま?
〇:うん、予定はない
ひ:ひよたんと映画見に行かない?
〇:映画?
ひ:うん!チケット2枚あるんだけど行く人いないからお願い!!
顔の前で手を合わせてお願いされると断れない
というか、そもそも断るわけがない
〇:いいよ、行こ
ひ:やったー!
目の前で彼女は喜んでいる
普段通りの表情でいるが、内心めちゃくちゃ嬉しい
映画のおかげか、その日は疲れというものを感じなかった
そして1週間後の土曜日
前に出掛けた時と同じ駅で待ち合わせ
わくわく気分を押し殺し、約束の時間10分前に到着すると
ひ:こっちだよー!!
前回遅刻ギリギリだったひよりが先にいた
〇:今日は早いんだね
ひ:えらいでしょ!
〇:よし、行くかー
自慢げに腰に手を当てている彼女をスルーして歩き始める
ひ:無視しないでよ!
ひよりもしっかりあとをついてきた
時間に余裕を持って電車に乗ると
〇:今日はなんの映画見るの?
ひ:えっとねー、、これ!
ひよりが見たかったのは、今話題の恋愛映画だった
〇:こーゆーの興味あるんだ
ひ:あるよ!憧れるよねぇ
勝手にひよりは恋愛に興味が無いと思っていたので意外だった
〇:じゃあ好きな人とかいるの?
緊張しながら、さりげなく聞いてみると
ひ:んー、秘密!
そう言ったひよりの顔は少し赤かくなったように見えた
映画館に着くと
〇ひ:うわぁ
周りはカップルで賑わっていた
〇:とりあえずポップコーンとか買いに行く?
ひ:うん!
ポップコーンコーナーまで行くと
〇:どれ頼む?
後ろをむくと、ついてきていたはずのひよりがいなかった
まさかのはぐれてしまったようだ
急いで来た道をもどるが人が多すぎてすぐに見つからない
スマホを確認しても連絡は来ていない
電話をかけようとしたその時
壁際で当たりをキョロキョロと見回しているひよりを見つけた
〇:ひより!
ひ:、、〇〇ぅグスッ
少し泣きかけている彼女
〇:ごめんね
ひ:ひよたんもごめんなさい
〇:始まっちゃうから早く買いに行こ?
またはぐれないようにそっと手を差し伸べる
ひ:うん!
ひよりは手を握り嬉しそうに隣に来る
今度ははぐれずに到着し、二人で一つのポップコーンを食べることにした
片手にポップコーン、もう片方の手はひよりと繋ぎ、スクリーンに向かう
席に着くとすぐに映画が始まった
しばらくすると、注目であろうシーン
主人公と幼なじみのキスシーンが流れる
その瞬間そっとひよりの方を見てみると
なんと彼女と目が合った
すぐに逸らそうとしたが、
僕の手の上にひよりの手が重なる
その瞬間ひよりから目をそらすことができなくなった
少し時間が止まったように感じた
そっとひよりの手を握り、映画に視線を戻す
そこからは内容が一切入ってこなかった
映画が終わり、我に返る
ゆっくりひよりの手を離すと
ひ:いきなりごめんね//
〇:僕もごめん//
この先はあまり目を合わせることができなかった二人だった
to be continued