くるっぷテスト投稿用
世界観イメージ投稿になります。不思議な力を宿すものや怪奇を巡る話になります。
@lianmiso
今は凶悪犯罪が昼夜問わず運び入り、男女関係なく護身用具を持たねば歩けぬ時代だ。
常識のある人間ならば深夜遅く出歩かず、路地裏にすら近寄らないであろう。
都市の煌びやかな明かりは小さな星の光さえ消し、闇は濃く深く、路地裏はさらに足元も見えぬほど暗くなる。ならず者が潜む路地に不似合いなショートカットの美しい女性が調子っぱずれな鼻歌を口ずさみながらゴミを乱暴に蹴飛ばし歩く。
治安の悪い路地裏だからなのか、大型のゴミも転がっている。ゴロゴロと転がるものから溢れる液体は黒く道を染め上げる。倒れたゴミ箱から丸まった紙くずが道路の液体を吸った。
物陰からガタリという音が聞こえた。隣の錆びたゴミ箱を覗くと、目当てのものはいた。
茶髪の女が目を見開く。
悲鳴は声にならず、息を呑む音が聞こえる。ぱぁっと失くしたおもちゃを見つけたような表情を浮かべた女性は後ろにゴミ箱の蓋を放り投げた。
「見いつけた。」
若い女性の恐怖はスパイスだ。久方の獲物!空腹を充す待ち侘びた瞬間であった。東響の夜に絹を裂くような悲鳴がーーーー
「馬鹿みたいな策でしたが、引っかかりましたねぇ」
茶髪の女の声はねちっこい男の声に変わった。自分の胸から鮮血が吹き上げる。胸を撃たれたと認識すると同時に茶髪の女の頭を握ろうとしたが、思うように動かない。
「結果が出ればそれでよし!拘束完了!」
耳障りな陽気な男の声が耳打つ。
体に蔦が巻き付いている。身動きが取れない。こんなもの、直ぐに引き千切って、いや待て。
なぜ自分は蔦の巻かれた体を客観視している?まるで幽体離脱したようにーーー
目の前が赤く染まった。
「討伐、完了です。」
辿々しい声が最後に聞こえた。