Twitterに投稿した『長谷部の転パロ小話』をまとめたAタイプと同仕様の別話です。設定は本文冒頭に記載。
タイトル通り恋愛ゲーム風、書き手が遊んでいます(笑)
名前変換機能が使えます。呼ばれたいお名前を本文左上の名前変換ボタンを押して入力して下さい。無しだとお名前表記★。
@TEN_Writer_H
【転パロ長谷部☆恋愛ゲーム風】 Bタイプ1話
貴女のお名前→★★
※お名前変換は左上の青い名前変換ボタンから。
※Aタイプ→http://privatter.net/p/1966894
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貴女は、とある会社に勤める女性です。
大学に進学する際から、親元を離れて現在のマンションの一室に住んでいる貴女。
社会人になって数年が経過しましたが、今でも変わらずその住まいから通っています。
貴女には5歳歳上の従兄弟がいます。
実は、現在の住まいの家主はその従兄弟であり、大学進学時から貴女の事を保護者のように面倒を見てくれた人物です。
貴女の従兄弟は、貴女とは別の姓で『長谷部』。彼の事を貴女は『兄』のように慕っています。小さい頃から、遠縁だったにも拘らず貴女に会いに来ていた彼が、実は貴女の初恋の人です。
普段貴女は彼を『お兄ちゃん』と呼んでいますが、心の中ではこっそりと『お兄様』と呼んでいます。何故かは分かりませんが、幼い頃からそう彼を呼ぶのが相応しいような気がして、以降内心密かにそう呼んでいました。
しかし、実際にそんな呼び方をすると仰々しいので一度もそう呼んだ事はありません。
大学こそ女子大の為に別でしたが、就職先を決める際には彼が強く勧めた為、既に彼が勤める会社に就職する事を決意しました。
現在、彼は貴女とは別の部署で働いており、経理課の課長代理の肩書きを持っています。
一方貴女は、広報課の一員として勤務しており、お互いに忙しく毎日を送りながら生活を共にしています。
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ーー…これは、そんな貴女と彼との日々の中で、ふとした出来事をきっかけに始まるお話です。
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【貴女の目覚まし時計が鳴っています】
ーー…その日の朝。
昨夜、遅くまで部屋で持ち帰った仕事をしていた貴女。次の企画の責任者に抜擢された為、今が一番準備に忙しい時期です。
その為、頑張らなければとつい夢中で仕事に没頭してしまい、かなり遅い時間まで起きていました。
前夜の無理が祟ったのか、貴女はなかなか起きる事が出来ません。
目覚まし時計がけたたましく鳴って、起床を促しています。
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《選択して下さい》
①もそもそと布団から手だけを出して、目覚まし時計を探る。
②小喧しいので投げる。
↓
《選択して下さい》
①もそもそと布団から手だけを出して、目覚まし時計を探る。◀︎ピッ
②小喧しいので投げる。
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【もそもそと布団から手だけを出して、目覚まし時計を探る】
音を頼りに布団から手を出して、ベッドサイドに置いている目覚まし時計を探します。手探りでペタペタとサイドテーブルを探しますが…音はすれども、目覚まし時計に一向に手が触れません。
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《選択して下さい》
①もういい、寝る。
②おかしいなぁ、と思って布団から顔を出してみる。
↓
《選択して下さい》
①もういい、寝る。
②おかしいなぁ、と思って布団から顔を出してみる。◀︎ピッ
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【おかしいなぁ、と思って布団から顔を出してみる】
まだ眠り足りない意識を浮上させて、貴女は重い瞼を押し上げます。潜り込んでいた掛け布団の暖かさを惜しみつつも、致し方なくもそりと顔を出しました。
ぼんやりと視線を彷徨わせていると、サイドテーブルの上には目覚まし時計が無い事に気付きます。
代わりに目に飛び込んで来たのは、サイドテーブルの横に立つダークグレーのスラックスの長い脚でした。
お兄様
『…★★ 、朝だ…』
高い位置から柔らかく落ちて来た声音に、貴女の寝惚けた意識が急浮上していきます。
慌てて視線を上げると、ベッドの傍にはすっかり身支度を整えたスーツ姿の彼が立っており、片手には貴女が探していた目覚まし時計が乗っています。
困った顔で僅かに微笑む彼は、貴女を優しく見下ろして目覚まし時計を止めました。
お兄様
『…★★ 、また遅くまで仕事をしていたのか?あまり無理をするな、身体を壊すぞ』
元あった位置に目覚まし時計を戻すそんな些細な仕草も、彼は無駄がなくシンプルで洗練されています。
彼が小さい頃の初恋の人だった貴女にとって、自分の最も信頼する人であり、頼りになる兄でもあり、やはり…憧れの人でした。
そんな彼が、目覚まし時計を指差して肩を竦めました。海外留学の経験があるからか、彼がそうした仕草をすると自然と様になります。
お兄様
『…時間、大丈夫か?確か今日は早く出なければならないんだろう?』
よくよく思い出し、貴女はハッとします。
彼が言う通り、昨夜の夕飯の際に彼と食事をしながら、そんな話をした覚えがありました。
今日は朝から企画の打ち合わせがあり、その資料作りの為に昨夜頑張ったのです。
いつもより早く出社して、メンバーが揃う前に打ち合わせの準備をしておこうと思い、それを彼にも伝えたのでした。
お兄様
『…起きられないとお前が困ると思ってな、悪いが勝手に部屋に入らせて貰った。
……★★ 、支度を』
ーー…支度。
貴女は、もう一度サイドテーブルに置かれた目覚まし時計に視線を走らせました。予定の時刻より20分も遅れています。
大変…!と、掛け布団を跳ね上げて慌ただしく起き上がった貴女に、彼はギョッとしたように目を丸くしました。
ベッドから出ようと足を床に下ろし掛けたところで、何故か貴女の身体にベッドの足元に置いていたロングカーディガンがバサリと掛けられます。
何だろうと思い、それを掛けた主を見上げると、ベッドの傍に立つ彼があらぬ方角の壁を睨みながら盛大に赤面していました。
彼はちらりとも貴女を見ないまま、壁を睨んでむすむすと呟き、貴女の身体をぴっしりと指差しました。
お兄様
『…ま、前ボタンが開いてる…閉めてくれ…頼む』
ーー…その言葉を聞いた貴女が自分の姿を確認すると、確かにパジャマのボタンが2つ程外れて胸元が大きく開いていました。
大慌てで前を閉じ、彼に部屋から出て貰った貴女は、恥ずかしさに顔を覆いたくなる気持ちで急ぎ支度を始めるのでした。
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【そろそろお昼休憩です】
ーー…慌ただしく家を出た貴女は、彼の運転する車で一緒に出社しました。
これは大学時代から変わらない習慣で、当時から送迎に関しては彼の役割です。
彼曰く、
『…お前の親から…嫁入り前の大事な娘を預かっているんだ、それ位は当たり前だろう』
との事。見目麗しく学生時代から女性に人気のある彼は、それに反して非常に古風で厳格な価値観を持った人でした。
その為か、貴女の送迎だけは今も変わらず彼が付き添い、こんな出社時間が違う日でも黙ってハンドルを握ってくれるのでした。
車は彼が留学した先のドイツのメーカーで、安定感とエレガントな雰囲気漂うアウディA5クーペ。シルバーの車体が重厚過ぎず彼によく似合っています。
以前これを購入する際に、2ドアだったのが気になった貴女が彼に『友人などを乗せる事もあるだろうから、4ドアの方が広くていいのでは?』と訊ねた事がありました。
その際に彼は、きょとんとした顔で、
お兄様
『2ドアあれば充分だ。★★以外に乗せる気はないからな』
…と、さらりと語った事があり、その時は何となく嬉しい気持ちになった貴女でした。
ーー…さてその日。
彼のおかげで予定通りに出社した貴女は、朝からの打ち合わせも問題なく熟し、午後の仕事に向けてデスクで励んでいました。
…そろそろ昼の休憩時間になろうかという頃。
貴女のデスクに置いていたスマホが突然震えました。短い振動なのでメールのようです。
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《選択して下さい》
①今それどころじゃないし、忙しいし。
②誰かな?と確認する。
↓
《選択して下さい》
①今それどころじゃないし、忙しいし。
②誰かな?と確認する。◀︎ピッ
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【誰かな?と確認する】
ーー…スマホには時折、社内の同僚から急ぎのメールが来る事もあります。
貴女は作業中の手を止めてスマホを手に取ると、早速画面を確認しました。
メールは、彼からのようです。
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差出人:お兄様
件名:昼。
本文:
★★、今日は外で昼食を。
休憩に入ったらロビーに来てくれ。
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いつも通りの無骨で短い内容。
しかし、感情表現が苦手で照れ屋な彼の性格を知っている貴女には、この短い内容から『昼食を一緒に摂りたい』と言っているように思えてなりません。
思わず顔に笑みが浮かんだ貴女は、そのメールに返信を送り、休憩までの時間で仕上げてしまおうと作業に戻るのでした。
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【社内メールが届いています】
ーー…彼との楽しい昼食を終え、午後の仕事をしている貴女の元に、社内メールが届きました。
デスクのPCで企画デザインのチェックをしていると、画面の隅に『新着メールあり』の表示が。
貴女は一旦作業画面を閉じて、新着の社内メールを開きました。
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差出人:●●さん
件名:お疲れ様です。
本文:
営業一課の●●です。
今朝の打ち合わせお疲れ様でした。
企画の件でご相談があります。終業後に外で会えませんか?時間は18時に近くのカフェで。
帰りは良かったら送ります。
お返事待ってます。
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ーー…差出人は、同じ企画のメンバーで、オブザーバーとして営業一課から参加して貰っている男性社員でした。
三つある営業課の内、一課は大きなプロジェクトを扱う部署で花形です。その営業一課の若手の中でも、その男性は有望との噂。確か、貴女より1つ歳上の、割と気さくな方でした。
貴女はスマホを手に取ると、いつもの行き帰りが一緒の彼にメールを送ります。
どちらかが仕事や予定の都合で遅くなる際は、必ず連絡を入れるのが2人の間の決まりで、これに関しては彼も了承済み。責任持って貴女を送迎はしますが、無用な干渉はしない…というのが、彼のスタイルだからです。
企画の件で相談を受けたので帰りが遅くなるとメールを送ると、間髪を容れずに返信が届きました。…スマホを手にしていたかのような速さです。
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差出人:お兄様
件名:分かった。
本文:
お疲れ様[FN:★★]。
終わる時間が分かるなら迎えに行く。
帰宅予定時間は何時だ?
ちなみに今夜はお前の好きなビーフシチューなんだがな。
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ーー…返信の内容に、貴女は思わず『う〜!』と唸ってしまいました。
普段、一緒に帰宅した日は一緒に。
どちらかが遅れるなら、早く帰宅した方が料理当番と決めています。
主に料理をするのは自活歴の長い彼で、そんな彼が作る料理の中でもビーフシチューは貴女の大好物でした。
…ただ、少し内容に違和感を感じます。
これまで帰宅が遅くなる際は『気を付けて帰宅するように』や『迎えがいるなら連絡を』といった程度で、『迎えに行く』と言い切ったり『帰宅予定時間は?』などと訊ねられた事はありませんでした。
その点に、何となく不自然な気がしながらも、貴女は『いつ終わるか分からないから自分で帰ります。ビーフシチュー楽しみ!』と返信すると…
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差出人:お兄様
件名:そうか…
本文:
…途中でも構わん、いつでも呼べ。迎えに行ってやるから。
デザートにお前の好きなアイスも付けよう。
…早く帰れ。
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…と、益々いつもと違う返信が届きました。
それに依然として違和感を感じながら首を傾げて、貴女は午後の業務を再開するのでした。
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【カフェに着きました】
ーー…終業時間を迎えた貴女は、企画の資料を手に会社を出ました。
待ち合わせの時間は18時。丁度良い頃合いでした。
カフェに着くと先に来ていた営業一課の男性が、席から手を振り貴女を招きます。
『お待たせしました』と席に着き、早速資料を広げようとした貴女に、男性は慌てて言い添えます。
男性
『…すみません。実は今日は、仕事の話ではなくて…』
ーー…よくよく話を聞いてみると、その男性は以前から貴女を気に入っていて、ずっと声を掛けようと思っていたのだそうです。
男性が言うには、会社への行き帰りに声を掛けようとしても貴女の傍には必ず彼がいる上に、住んでいる所も同じと言う事で、かなり手をこまねいていたそうです。
貴女のガードが固いのは、社内でも有名な話らしく……相手が非常に有能で厳しい仕事の鬼である彼だけに、挑み切れずに諦めた同僚もいるのだと、男性はボヤきました。
…そんな事とは露とも知らない貴女は、男性からの話を聞いて無性にむず痒いような気恥ずかしい気持ちになります。知らない内に彼に護られているようで、どことなく嬉しい感情が胸に込み上げました。
男性から、個人的にまた会って欲しいと言われた貴女。付き合う付き合わないではなく、折角同じ企画で縁が出来たのだから、親しくさせて欲しいのだと頼んできます。
一瞬、貴女は躊躇ったのですが、男性とは企画が終わるまで親交を持たねばならず、また無理を通してきている訳でも無いので、無下に出来ず頷きました。
スマホのメールアドレスを教えて欲しいと言われ、メールくらいなら他の親しい同僚も知っているので男性に教えます。
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差出人:●●さん
件名:ありがとう。
本文:
今後はこちらに連絡させて貰うよ。
もし良かったら、近々一緒に夕飯でもどうかな?勿論、会って貰えるなら仕事の話で構わないよ。
考えておいて欲しい。
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アドレスを交換する為に、てっきり空メールが来ると思っていた貴女はその内容に驚きます。
にこにこと正面で貴女を見つめる気さくな男性に、貴女は戸惑うばかり。
ただ、不意に脳裏に浮かんだ彼の姿に我に返る貴女は『分かりました、考えておきますね』とだけ口頭で伝えました。
ーー…送ると言う男性の言葉を丁重に辞して、貴女は先にカフェを出ました。
1人で帰るのは久しぶりの事で、賑わう街を駅に向かって歩きます。
途中、可愛らしい小物を扱う雑貨店の前を通り掛かり、店構えや内装からちょっと立ち寄ってみたくなりました。
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《選択して下さい》
①ちょっと立ち寄ってみる。
②どうせ寄るならソフマップ。
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《選択して下さい》
①ちょっと立ち寄ってみる。◀︎ピッ
②どうせ寄るならソフマップ。
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【ちょっと立ち寄ってみる】
若い女性客に好まれそうな可愛らしい店構えに、貴女は少しだけ中を覗いてみることにしました。
店内は観葉植物や雑貨、インテリアに化粧小物など、輸入雑貨を中心に扱っているようです。目に楽しい店内を見て回るうちに、貴女は特に惹かれる物を見つけました。
ーー…それは、和洋カトラリーのセット。
スプーンとフォークにナイフ、そして箸と箸置きが二組分揃いになっている物で、何が貴女の目を引いたかと言えば……柄の部分についた『ひよこ』のマスコットです。
カトラリーセットの隣には、キーホルダーのひよこのぬいぐるみもありました。
貴女はカトラリーセットとキーホルダーをお土産のつもりで買い求め、それを手に店を後にしました。
ーー…駅に着いた時。
貴女のバッグの中でスマホが震えました。取り出して確認すると、新着メールです。画面の時計は19:30を示していました。
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差出人:お兄様
件名:今どこだ。
本文:
…迎えに行く。現在地を知らせてくれ。
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ーー…彼からのメールです。
しかし、いつも以上に随分と素っ気ない内容に思えます。
おまけに、どうした訳か迎えに来ると決めたような内容…。仕事であるにも拘らず、一体どうしたのかと、貴女は訝しみます。
どこか剣呑さすら感じるその内容を眺めて、貴女は駅の電光掲示板を確認しました。
彼が待つ自宅の最寄り駅に停車する電車は、5分後に出発のようです。
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《選択して下さい》
①『今駅です。5分後の電車でまっすぐ帰ります』とメール。
②『コンビニ寄るけど、何かいる?』とメール。
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《選択して下さい》
①『今駅です。5分後の電車でまっすぐ帰ります』とメール。◀︎ピッ
②『コンビニ寄るけど、何かいる?』とメール。
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【『今駅です。5分後の電車でまっすぐ帰ります』とメール】
貴女は、彼が何を思ってメールしてきたのかは分からないながらも、とにかく現在地を報せる事にしました。迎えに来るよりは格段に電車の方が早く、待っている間に家に帰り着けるからです。
メールを送って、またすぐに返信がありました。
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差出人:お兄様
件名:分かった。
本文:
なら電車で帰って来てくれ。
…駅まで迎えに行く。
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貴女はその内容を確認してホームに向かい、電車に乗り込んでから『電車に乗りました』と返信します。
…どうあっても迎えに来たいらしい彼。その心境を図りかねるところではあるものの、案じてくれる気持ちが嬉しくもあり、早く最寄り駅に電車が着くよう願いながら、貴女は微笑みを浮かべるのでした。
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【何やら彼の様子がいつもと違うようです】
ーー…最寄り駅に着いた貴女は、駆け足でホームを行き過ぎていきます。
帰宅時に使う改札口まで出て来ると、構内の柱にゆったりと背を預けて待つ彼の姿が見えました。
彼はブラックジーンズに白のV首ニット、その上にダークブラウンのチェスターコートを着込んで立っています。
彼からも貴女が確認出来たらしく、改札口を抜けると同時に傍に歩いて来ました。
お兄様
『…お帰り』
何故かむっつりとご機嫌斜めな彼に、貴女は『遅くなってごめんなさい』と素直に謝ります。
その様子に溜め息を吐いた彼は、無言のまま貴女から荷物を取り、手を掴んで歩き始めました。
ーー…貴女は驚きと戸惑いで、絶句します。どんなに親しい間柄の彼でも、幼い頃はともかく大人になってから手を繋ぐ事など無かったからです。
急に、一体どうして…ーー
困惑する貴女を意にも介さず、彼は手を引いたまま黙々と構内を歩いて行きます。
近くの駐車場に止めていた車に乗り込んだ貴女と彼は、気不味い空気の中を凡そ10分程で自宅マンションに到着しました。
車を降り、エレベーターに乗り込んだ後も彼は無言を貫き、一度も貴女を見ないままで自宅の部屋まで戻ります。
貴女は…ーー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《選択して下さい》
①ただいまー!と元気よく挨拶!
②『…何かあったの?』と彼に訊ねる。
↓
《選択して下さい》
①ただいまー!と元気よく挨拶!
②『…何かあったの?』と彼に訊ねる。◀︎ピッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【『…何かあったの?』と彼に訊ねる】
ーー…あまりにもいつもと違う彼の様子に、貴女はリビングに入ると同時に『…何かあったの?』と声を掛けました。
先にリビングに入り、奥のソファに脱いだコートを置いていた彼の背中が、貴女の問いかけにピクリと止まります。
貴女はリビングの椅子に置かれた自分のバッグと紙袋を目に留めて、帰りにお土産を買っていた事を思い出します。
彼に見せるかどうか悩んでいるうちに、深々と溜め息を付きながら彼が貴女を振り返りました。
お兄様
『…今日会っていた男は何者だ…』
彼が口にした一言に、貴女は一瞬何の事かと首を傾げます。
しかしすぐに、自分が『会った』と言えるのが退社後にカフェで待ち合わせた男性だけだと気付いた貴女は、それに疑問を持たずにはいられませんでした。
……何故なら、貴女は彼に『仕事で』と伝えただけで、誰と会うかまでは報せていなかったからです。ましてや、それが『男』だという事を彼が知る筈が無いのです。
お兄様
『…[FN:★★]、答えてくれ。お前が今日会っていた男は、お前の何なんだ…』
ーー…顔に僅かな焦燥の表情を浮かべる彼が、苦々しくその言葉を口にした時……。
…今まで垣間見た事のない彼の姿に驚く反面、まるで嫉妬されているかのように錯覚した貴女の胸には、例えようのない感情が湧き上がって来たのでした。
ーつづくー