Rサイド
前の話←
@acbh_dmc4
「よぅ!エツィオ。最近あの若いのには逢ってるのか?」
「狐か。なんだ、藪から棒に」
「いいや?あの坊主がどうしてるか気になってね」
人の顔を見るなり、遠い過去に置き去りにされてしまった想い人の事を問われて心臓がドクリと大きく音を立てた。
久しく考えないようにしていたあの子の事を思い出させる狐の発言を、少しだけ恨めしく思い、瞬時に浮かぶあの子の顔にチリリと心を焦がした。
ああ、元気にしているだろうか。
ボルジアとはもう対峙したのだろうか。あのときに止めを指しておけば、そう、なにか助言でも残しておけばこの先なにか変わったのだろうか。
いや、あの子は私の忠告を頑なに聞こうとしなかったから結局は無駄に終わるのだろうな。
せめて大きな怪我をしなければ良いが…死ぬ目には私自身、よく遭っていたし、過去は変えられない。
そう、過去なのだ。紛れもない私自身の……
一瞬で物思いに耽り、黙りこんだ私に狐は一瞬だけ目をすがめると、軽い口調で続けた。
***もうちょっと書き出し***
あの時のアンタはかなり面白かった。
あの坊主と喧嘩でもしたんだろうが、坊主が家出するなりアンタは落ち着かなくなったもんなぁ。ぼんやりすることが増えたし、始終苛々していた。
いい加減意地張ってないで迎えに行けば良いと思って、坊主の居場所を伝えてやればあからさまにホッとした顔するくせに、迎えに行かないでまた苛々物に八つ当たりしてるから困ったもんだったよ。
挙げ句、あの坊主が戻ってから関わろうとする奴全員に威嚇する始末だ。
まぁ、見た目が良いからグラッとくる気も分からなくもないが、ちょっと行きすぎてたな。
狐が昔を懐かしむように目を閉じてウンウンと頷きながら一気に捲し立てる。
「その、私はそんなにあからさまだったか?」
「そりゃあもう!気付いてなかったのか?そりゃ傑作だ!アンタが着いてりゃ誰も手出し出来なかっただろうよ。」
前の話← もくじ