X以外のSNSでの投稿にはPrivatter+がおすすめです

ヴァンパロ×通常エツエツ

全体公開 4740文字
2018-01-27 11:54:05

最後らへん、Rが血を吸われるところが書きたいなぁと思ったのでそこから。
冒頭部分は作成中ナウ。

Posted by @acbh_dmc4

ちくりと首筋に痛みが走る。
見た目からして、結構な痛みを伴う行為であるはずだが、彼が発する香りが人の感覚を麻痺させるのか、背筋をゾクゾクと這い上がる快楽が痛みを和らげた。
体の力が抜ける。思わず非力な彼の腕の中に倒れこんでしまい、彼が数歩よろけて背後の壁に背を寄せた。

「ま、さか私もまた、吸われるとは、な
「貴方は貴方達、は……
………奇妙だろう?同じ人間同士で愛し合うなど

絶句する目の前の愛しい人に似たヴァンパイアを壁に押し付けたまま、腕の中に閉じ込める。
今の状況に少々狼狽えたのだろう、彼が私の胸を弱弱しく押しのけた。

「あの頃は、貴方に嫉妬したものだが今は違う感情がある」
……意趣返しでもするつもりか?」
「とんでもない。愛しい姿の貴方に、今の私は愛しいという想いしかない。それに、私の血は安くはなくてね」

可愛らしく抵抗する腕を優しく押し返して壁に縫い付ける。
本当に非力なヴァンパイアだ。
他の者に蹂躙されたくないと言うくせして、なぜこの者に力を与えないのか。
ただでさえ己ばかり強いのだから、セーブして力を与えればこういう風に奪われる事もないのに。

彼の顎を取り、顔を近づける。
驚いたように大きな目を見開いて、私の手から逃れようと顔を逸らそうとする。
抵抗を許さず、唇を重ねようとしたとき、

「そこまでだ」
「ナイト様のご登場だ。私のエツィオの方は宜しかったので?」
……知っているのだろう?ベッドに寝かせておいた。お前が構うのは彼だけで十分のはずだ」
「それは勿論。それで?ご感想は?」
「良いからまずは離れるんだ!」

あまりの剣幕に思わず笑ってしまう。
このやり取りは初めてだな、と思いつつしかし体が動かない。

「すまないが、私も、壁に凭れるので精一杯で悪いが、あの子の居る寝室まで連れて行ってもらえないだろうか?」
「あのエツィオのように抱えて連れて行ってやろうか?」
「ふふ、それはそれでこの可愛いヴァンパイアが嫉妬してしまうから遠慮しよう」
「なら俺が抱えます!」
「「いや、無理だろう」」


思わずハモってしまった私と城主に、憮然とした顔をしつつそっぽを向く。
ああ、本当に可愛い。

「妻は人から直接血を摂取したことがない。すまないな。少々吸いすぎたようだ」
……す、すまない」
「では最初の一人となれた訳か。光栄だ」

ふふ、と微笑を向けてやれば、若いエツィオに似たヴァンパイアは頬を染め、現在の私と同じ相貌のヴァンパイアは面白くなさそうに顔を顰めた。
これからもこの二人は愛し合い続けられるのだろう。
私とあの子とは対照的な二人がまぶしく見えた。





*******



「貴方は、あの若いエツィオから血を?」
「ああ」
……その、驚いた。彼が、よく時間がないと言っていた意味がわかった……彼らは
「結ばれる事はないのだろうな」
………
「そんな顔をするな。だが、限られた時間を共に過ごすのに、何故あんなにも傷つけ合わねばならんのか理解できない」
「でも、彼は受け入れますよ。最後の最後で。やっと愛し合える」

エツィオの言葉を聴き、領主が不愉快そうに唇を歪めた。
その分かり易い反応に、ポンポンと宥める様に腕を叩いてエツィオが彼に寄り添う。
領主は誘われるように唇を寄せ、エツィオと触れ合う。
エツィオの咥内に残った血が、彼らの未来を見せる。
捩れ拗れて無理やり攫って、彼を手に入れたいと縋り付く二人が、やっと心を認めるのは、一人になってからなのだろう。

「難儀なものだ。私はお前と一つになってしまいたいと思っていたが止めておいたほうが良さそうだな」
「まだ貴方は
「お前を信用できない。誰にでも奪われてしまいそうで
「なら、縛り付けたら良いのにこの首にでも、鎖を巻いて」
「自由なお前が愛しいのだ私の隣で微笑んでいて欲しい。ただでさえ私はお前の多くを奪ってしまったからな

全て奪っても良いのにそううっとりと呟く妻が愛しくて苦しくなる。
こんなにも愛しいのに、一つになれない事を嘆く。しかし、彼の者達を実際目の当たりにして、それは間違いだと気付いた。
一人では抱き合えない。
彼の心を縛りつけようとしても、それは自己満足でしかない。
本当に望むのはそんなものではないのだ。



******



すぅすぅと気持ち良さそうな寝顔を見つめる。
首には白い包帯と、そこから滲む赤い血の痕が見える。
彼の首筋に唇を押し付け、やわやわとそこを優しく食む。
ピリリとした痛みに目を覚ましたのか、エツィオが僅かに声を漏らし、私の胸に手を当て押しのけようと僅かな力を込めた。

「そんな弱弱しい抵抗では、男を煽っているようにしか見えないぞ?」
そ、そんなつもりは体にうまく力が入らないのです。貴方が、あんなに血を吸うから

私をあのヴァンパイアだと勘違いをしている。
あの男に抱かれるかもしれないと、少しだけ期待をしている。
だが、今この時に彼の心にあるのはこの私のことだ。

私以外には触れられたくないと、だが、あのお優しいヴァンパイアになら心の蟠りを吐露できる。
私に似た、でも私ではない人物だからこそ、擬似的に思いを告げて満足しようとしているのだ。
だがそんなことはさせない。
お前の口から直接聞きたい。

本当に求めているものは何か、誰なのか……

「お前は、あの男が憎いか?」
………俺の血を、飲んだのですから……分かっているのでしょう?俺の気持ちを
………そうだな。だが、君の口から聞きたい。愛しているのか?」
……愛して、いるんだと思う。導師をあの人をでも、でも俺はあの子に手を出してしまったあの子に俺と同じ思いを植えつけてしまった
後悔しているのか?」
「後悔している……そもそも手を出す気なんてなかったんだ優しくしてやろうと……思っていた
「愛していないのか?その子の事は」
それは、分からない。今は、後味の悪い罪悪感ばかりで……

顔を逸らし、眉根を寄せて辛そうに告白する。
ああ私はこのときはまだ、この子の事を自覚出来て居ないのだな。
本当はずっと愛していた。お前の涙を見たあのときから、お前を想っていたのに。

「私が、お前をずっと愛していると言ったら、お前はどう思う?」
……え?」
「最初からだ。お前の涙を見た、あの時からお前を想っていた」
「領……?」

エツィオの手をとり、彼の掌に口付けてからそのまま彼の手を頬に当てる。
ゆっくりと彼と視線を合わせ、真剣なまなざしで彼を見つめる。

あのかわいいヴァンパイアのように目を大きく見開いて、私を見つめる。

っ」
「エツィオ、愛しているんだ」
………

途端にうろたえ出す。
彼のその態度が心に焦燥を齎す。
何故、私には素直になれないのだ。どの道、お前の心など全て分かっているのに。

「お前が私と同じ答えに行き着くまで、私は待ってやる事は出来ない。すぐに理解できることではないのも分かっている。だが、私の心まで疑わないでくれ」
「導師……
「愛しているエツィオ」

愛してくれ

誰かに告白する私への想いではなく、私に向けた愛を

「ズルイ人だ
「ズルイと言うが、いくらお前に私の心を伝えても得られない。本当は愛してると言うくせに。意地が悪いのはお前のほうだ」
「貴方がそんなだから、俺だって意地を張りたくもなるんです」
「私はずっとお前に訴えているだろう?愛している。だから愛してくれと。それだけじゃないか」

何も答えられないのだろう。
彼が何に気を取られているのかは知っている。
もう一人の若い私のせいだ。彼に罪悪感を抱かせ、そして理解しては居ないまでも、彼の心を捕らえ続ける。
不毛だ。どうして素直に愛することが出来ないのだ。
二人に挟まれて揺れている。彼の心が腹立たしい。
最初の頃のように、私だけを求めればいいのに。

「あの子の居ないこの世界で、貴方を、貴方だけを愛してるというのは卑怯な気がする」
………
「貴方だって、俺の事をそう想っていたんでしょう?貴方も、昔導師と二人でここに来たときに、同じ想いだったのでしょう」
……だから、わかれと?」
「そうです。俺の心なんて何でも知っているんだから。我儘を言わんでください」

悪戯っぽくそう言うと、彼は私の唇に噛み付くように口付けた。
少しだけ恥ずかしそうにして今度は体ごとそっぽを向いた。

「貧血気味で興奮させないでください。頭が痛くなってきた。今日は、ナシですから」
……本当は抱かれたい癖にか?」
はいはい。でも体が思うように動かないので、多分立ちもしないですよ。今日は諦めてください」
「お前のは必要ないだろう」
「俺の弄るの好きなくせに」
「まぁ、好きだが」
「認めるのかよ」
「私の手で追い詰められるお前は最高に淫らだからな」
とにかく、今日はナシです。エロ親父」

先ほどまでの重苦しい空気がやわらかくなる。
貧血で考えることが億劫なのだろう。
私も似たようなものだが、あまり熱くなったところで何も好転する事はない。
言いたい事はまだあったが、気の抜けた彼の宣言で毒気を抜かれてしまった。

仕方がなく、彼の背中から抱きこむ。
項に鼻を押し付けて、彼の匂いを吸い込むと、音もなく笑む気配がした。
これだけ和やかなのは久しぶりだ。
時折、彼のガードが外れるようになって、穏やかな戯れをする。
昔は導師に引っ掻き回されてこんな風に触れることがかなわなかった。

いや、今は引っ掻き回す側か……せめて、この子があの年若い自身を連れ去ってきてしまう前に彼に会えていたら
私の思いは早くに成就したかもしれないのに。

「エツィオ
「愛してますよ……多分」
「あしらうのが下手糞だ」

思わず苦笑が漏れる。
まったく、厄介な恋ばかり。少しだけ悔しくなって、彼の項に吸い付いてやった。



「マキャベリから林檎が帰って来た」

領主から言われ、林檎の入った箱を丁寧に渡される。
これで帰れるな、と優しく笑み、エツィオにはお前はまたここに来るのだな、と穏やかに笑んでから私に目配せをした。
エツィオは名残惜しそうに領主を見上げると、はにかみながら「また」と別れを告げた。

「エツィオおいで」
「また二人でここに来られないだろうか
「残念だが、次にここに来るのはお前が年を取って、あの子と二人での2度だけだ。あの二人にとっては1度きりの邂逅だな」
……あの子で思い出したが、俺はこの後ちゃんと帰れるのか?」
……まぁ、あの世界に行ったとしても、私が迎えに行ってやる……行ってやるが……
………?」
「今の私にとっては不本意だが帰ってきたら軽いお仕置きだけで済ませてやる」
……何?」
「さぁ、戻るぞ」
「ちょっ!導師?!どういう

ヴァンピーロの二人に別れを告げ、林檎からは竜巻のように強い風と稲妻よりも眩い光が放たれエツィオの口を塞いだ。


もくじ     狼と狩人×通常エツエツ一話へ←※このパロの続き


投稿にいいねする


© 2026 Privatter All Rights Reserved.