@niziirononanika

名称:神は死んだ God is dead
(人間名:ギット)
外見:身長174cm 体重66.6kg 30歳程の男性。灰色の髪に、黒い右目、赤い左目。虹彩には金色の十字模様が描かれている。常に喪服を着用している。
対応:一般的な収容者と同じ生活サイクルを適用。
20■■年■月■日 改訂
脱走防止目的として、各種抗哲機を使用。
脱走関連技術は非能力的と判明。
20■■年■月■日 改訂
危険性無しと判断。■■大学附置哲学人研究所に収容委託。
20■■年4月4日 改訂
《※暫定》■■哲学人犯罪取締課にて収容する。
■■大学附置哲学人研究所職員寮を当哲学人による家事手伝いの場として貸与。
当哲学人の訪問日程は研究所にて設定される。
また、詳細な研究データは研究所にて別途作成される。
必要に応じ情報共有を行うこと。
脱走が判明した場合、刑務作業(特に自営作業手伝い)現場を捜索。勝手に手伝いをしている場合はそのまま放置して構わない。
刑務作業現場に居ない場合、直近で対話した職員の自宅を捜索する。
連行の際、説得は不要。武力行使の許可有り。
害は無い。
20■■年■月■日 追記
哲学人【永劫回帰】収容に伴い、タイムスケジュールに組み込まれた。
毎日17時16分に哲学人【永劫回帰】前に現れるため、待機職員が速やかに確保し居住室に収容する。
補遺:
情緒不安定。
あらゆる常識が通じず、説得は無意味。
注意点:
信仰心の解釈が拡大されている。
趣味・法律・科学を信じることも宗教的と認識されるため、対応職員は対話後に所内規定を再読すること。
収容経緯:
20■■年■月■日 「不審者が家で料理を作っている」との通報により、■■警察署が出動。住居不法侵入の現行犯として逮捕。
哲学人と判明し、哲学人犯罪取締課に対応が引き継がれる。
移動時に逃走したため、指名手配を行う。
20■■年■月■■日 「不審者が勝手に家事をしている」との通報により、哲学人犯罪取締課が出動。住居不法侵入の現行犯として逮捕。
複数回の脱走の末、人的被害なし。危険性なしとして■■大学附置哲学人研究所に輸送。
収容事故(研究所資料:事案G-DE45a)発生に伴い収容方法変更。共同収容に至る。
+取調記録を見る
日時:20■■年■月■■日
収容直後の対話。収容の際、抵抗の様子は見せていない。
逃亡の経歴から、手錠による拘束下で取り調べを行っている。
調査官:はじめまして。
【神は死んだ】:はじめまして! 貴方は神を信じますか?
調査官:……回答は一旦控えるね。哲学人【神は死んだ】、であってるかな。
【神は死んだ】:ええ、ええ! 私は神の死を告げる者でございます! お喜びください! 貴方がたはもう既に、騙されることも、悪戯に悩まされることもなくなったのです!
調査官:で、住居不法侵入の現行犯だったわけだけど。
【神は死んだ】:健康な精神は健康な肉体から。そして健康な肉体は健全な食事から! 美味しい食事を用意しておりました。
調査官:家主とは知り合いだったかな?
【神は死んだ】:いえ! けれど私は人間を愛しておりますから! 皆様に贈り物をしたいと思うのです。
調査官:ああはい、汝隣人を愛せよっていう。
(机が飛び上がり、調査官の顎にぶつかる。録画画面外だが、机は哲学人【神は死んだ】が蹴り上げたように思われる)
(控えの職員が哲学人【神は死んだ】を床に押さえつける)
【神は死んだ】:はぁ!?
調査官:は?
【神は死んだ】:んな命令にいつまでも従ってんじゃねぇ人間がよぉ!
調査官:え? なに急に。
【神は死んだ】:神は死んだつってんだろ未練がましいなぁ゛!
(哲学人【神は死んだ】が調査官を指差す。手錠の鍵はいつの間にか外れている)
【神は死んだ】:と、いうわけで。私の行いに聖書の教えは関わりがございません。私が従うとすればそれは我が父の言葉! 我が父の命令のみでございます。
調査官:ああ、そう。
【神は死んだ】:はい。
調査官:え?
【神は死んだ】:はい?
(数秒の沈黙。哲学人【神は死んだ】は無抵抗で取り押さえられている。怒りは治まっている様子)
【神は死んだ】:ところであのー? 何故私は抑えられているのでしょう?
調査官:えーと、記憶ある? 取り調べ中に暴れる犯人は取り押さえるよね?
【神は死んだ】:ふむ。確かにそれがよくある対応ですね。そして私が怒鳴ったのが原因と。
調査官:顎いってぇ。
【神は死んだ】:それは失礼。丁度いいところに机があったもので。
調査官:いやまあ、こっちも不用意な発言だった? とは、まあ、うん。
【神は死んだ】:ええ、ええ。あのようにスラスラと亡き者の掟を唱えるほど身に馴染んでしまわれて、嘆かわしいことです。
調査官:確認なんだけど、住居不法侵入以外に余罪ある?
【神は死んだ】:心当たりはございませんが?
調査官:家主を殴ったことは?
【神は死んだ】:ございますねぇ。
調査官:暴行罪だねぇ。
(調査官が顎を押え、思案する)
調査官:君、何かした?
【神は死んだ】:司法とは現在における道徳であり、かつて数多の宗教的教えが担っていたものであると思いませんか?
調査官:思う。
【神は死んだ】:故に、それは信仰なのです。
調査官:取り調べ内容はもう一つあるんだ。君の能力は?
【神は死んだ】:神の死を告げることでございます!
調査官:具体的にどんな影響が人間にある?
【神は死んだ】:神の死を理解されることです。そのためならば、私、地面に伏せ頭を大地に触れせようとも構いません。
調査官:遵法精神の剥奪能力?
【神は死んだ】:いいえ。新たな価値観を貴方の手で作り出す必要性を知っていただくのみです。
調査官:既存の倫理から逸脱させるのか。
【神は死んだ】:いいえ。私は病人を救う……ことはできずとも。健康な精神を持てるよう、手助けしているのです。無条件に盲目に貴方がたが信じるあらゆるものから解放し、その目を開かせるのです!
調査官:法律、倫理、一般常識を認識できなくすることによって?
【神は死んだ】:いいえ! 違います、断じて! 私は皆様の目を開きます。その方法はただ一つ!
(職員が哲学人【神は死んだ】の拘束を中止する。哲学人【神は死んだ】は立ち上がる)
【神は死んだ】:信仰の削除によって。
調査官:責任能力無し!
(哲学人【神は死んだ】に調査官が手錠をかけ直す)
【神は死んだ】:え。
調査官:法の認知ができないタイプ! 君自身も法律遵守できないんだ。野放しもできないね。というわけで取締課で様子見した後に研究所送りの一般コース。はい、取り調べおしまい。
【神は死んだ】:ああっ! つれないお方。もっとお話を聞いてくださってもいいでしょう!
調査官:これ以上聞いたら警察続けてられないねぇ!
【神は死んだ】:そんなぁ! そのために逮捕されたというのに!
調査官:こいつ全部わざとか!
【■■大学附置哲学人研究所資料の転記を閲覧する】