X以外のSNSでの投稿にはPrivatter+がおすすめです

哲学人資料『人知原理論』


名称:人知原理論 A treatise concerning the principles of human knowledge (人間名:キネ)

外見:20代前半程度の男性。深い緑色の目と髪には蛍光色のラインが複数走っている。
体を一周する傷に似た模様が体表面のどこかに浮かび上がっている。
身長168cm 体重64.9kg

対応:一般的な収容者と同じ生活サイクルを適用。
■■/■/■■ 壁をすり抜け脱走。民間人と接触し能力を発動した。追跡し再収容。

will能力制御装置を使用した収容室に収容。
■■/■/■■ 機材を知覚せず、壁をすり抜け脱走。他部署の職員数名と接触し対話を行っていたところを再収容。

ソクラテス抗哲機を五台配備した収容室内に収容。
■■/■/■■ 機材を知覚せず、壁をすり抜け脱走。哲学人【超自我】の自宅にて寛いでいたところを再収容。

 《※暫定》哲学人【超自我】の自宅にて同哲学人の監視の下で行動する。
 最低でも月に二度、取締課に籍を置く臨床心理士による心理カウンセリングと認知機能の治療を行う。

注意点:衣服、体表面に現れている赤い傷のような模様に触れないこと。万一触れた場合、全身を確認し、当哲学人と同様の模様が表れていた場合隔離室にてBS式認識テストを執り行う。
 万が一認識が一般と書き変わっていた場合でも、生活に問題ないものであれば職場復帰が可能。そうでない場合は認識の改変に応じて対応する。
 この認識改変は暴露者にとっての真実であり、暴露者を取り巻く物理法則を変化させていることを留意すること。特に、見えない壁に閉じ込められた暴露者を移動させる試みは暴露者の圧死という結果を招きます。

収容経緯:一般人および他哲学人に能力を使用し「周りの一切が知覚できない」状態にしたとして、哲学人【超自我】により捕獲された。
 現在の精神状態から、当哲学人には責任能力が無いと判断。収容と再教育を行う。

+取調記録を見る

■■■■/■/■■
取り調べ官「えー、はじめまして。貴方の担当になりました、■■です」
当哲学人「はじめまして」
取調官「超自我さんから簡単にお話は聞いていますが、貴方からも確認を取りたくてですね。まず、お名前は?」
当哲学人「私は【存在するとは知覚されるということである】、または【誰も居ない森で倒れた木は音を立てたか】……ああ自分の名前言えた! ねえ聞いてよ僕ね、ああそうだキネでいいよ長いもんね僕の名前。でも最初に名乗った二つは私の哲学を正確に端的に表せていて」
取調官「落ち着いてください。こちらからの質問に答える形で話してください」
当哲学人「哲学は人間が疑問に思ったことに対する答えであるべきだって? 哲学人として能動的に行動が可能なんだから、自分から進んで僕という哲学を伝えるべきだと思うなぁ。じゃなきゃ本でいいんだもん」
取調官「いえ、そういうことではなく。貴方は今、哲学人犯罪取締課で取り調べを受けているんです」
当哲学人「うん? 僕なにもしてないよ」
取調官「それはこちらが調べます」
当哲学人「そっか。ん、第三者が調べられるなら客観が存在する証拠だって? 主観同士を繋ぐ共通認識については私も認めているし、それは私の意見の反対にはならないよ」
取調官「私は何も言っていません」
当哲学人「そうだね。ね、触っても良い?」
取調官「駄目です。それでは、超自我さんと出会ったときのことについて教えてくれませんか」
当哲学人「超自我さんは僕の神様なんだ。僕ね、ちょっと前まで誰にも知覚されなくって、知覚されないということは存在しないってことで、僕は誰の中にも存在しなかったんだ。君と話せて嬉しいよ」
取調官「そうですか。状況は説明できますか?」
当哲学人「状況」
取調官「超自我さんと初めて出会ったとき、貴方は何をしていましたか」
当哲学人「えー? 神様は常に、世界を知覚している精神だから……だから世界は存在していて、僕は人間には知覚されなくても、神様に知覚されていたから世界には存在したんだよ? 超自我さんは僕の神様だから……ちょっと考えたらわかることなのに、何で皆……
取調官「……貴方の信仰的立場を知りたいわけではなくてですね」
当哲学人「宗教的妄想に付き合ってられないって? 妄想だと断じるその判断基準もまた貴方の宗教的妄想に寄り添っているんじゃないかな。神様の存在を前提として考えるように、神様の存在否定を前提として考えているだけだよ。どっちも思い込みを出発点としている時点で同レベルだ」
取調官「……信仰は自由で良いと思いますけど、今はその話ではないんです」
当哲学人「んー……何のお話するの?」
取り調べ官「貴方は、一般人や哲学人に対して無差別に、能力を使っていましたね?」
当哲学人「うん。だって僕哲学人だもん」
取調官「その結果、相手が重大な被害を受けていることを自覚していますね?」
当哲学人「……うーん?」
取調官「貴方が能力を使った相手が、その後どうなったかわかってますね?」
当哲学人「どう……? 僕は、苦しくて……哲学を伝えるのは、哲学人の本能だから。気分が楽になった、かなぁ?」
取調官「伝えた相手のことは?」
当哲学人「……伝えた、相手?」
取調官「覚えていませんか」
当哲学人「……相手」
取調官「被害届は出ていません。聞いた限り、出せませんから」
当哲学人「うん……
取調官「どちらにせよ、貴方は取締課で管理されることになります。その間の態度によっては対応も変わっていきます。言いたくないなら言わなくても構いませんし、言えるようになったら話してください」
当哲学人「管理……
取調官「ええ」
当哲学人「つまり、君達は私の話を聞いてくれるってことだね? ああ嬉しいよ! 人間とお話したかったんだ。だって僕、本当に少し前まで存在すらしてないことになってたから……
取調官「そうなんですね」
当哲学人「あ、ちょっと前まで存在が消えてたんだけどね、なんか元に戻れたみたい。これで皆とお喋りできるよ!」
取調官「いえ、皆と、は難しいですね。うちで収容する際は、他者との交流を最小限に措置します」
当哲学人「収容? どこに?」
取調官「……少し、休憩しましょうか」






© 2026 Privatter All Rights Reserved.