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裏話メモ詰め合わせ2

全体公開 遊戯王ZEXAL(Pixiv未UP) 6 23872文字
2017-04-23 11:06:35

・不老不死凌牙のあらすじラストまで
・Q.意外な特技を教えて下さい(Ⅳ編 forイリス次元)
・Q.好きな時間帯と苦手な時間帯の話・死生観(我が家の場合)
・キャラプロフィール・裏設定
・トロンパパの遺言状のお話
・イリス話の裏話『パパラッチの被害者は遊馬だった』
・失明Ⅳの裏話←New 22.9

【不老不死凌牙シリーズ】あらすじラストまで
凌牙が不老不死になって、Ⅳが血を吐き、璃緒は事故死し、Ⅳは後を追うように病死し、カイトは失明するトンデモどん底話。
ハッピーエンドまで、どこまでどん底に出来るか究極にチャレンジしたシリーズ。ガチ死。
《忘れるなナッシュ。我の呪いは解けていない》
最終戦でドンサウザンドを受け容れた呪いの所為で歳を取れなくなった凌牙に気付いて、Ⅳが凌牙に迫るも、何も出来なかった雨の中から始まるどん底ストーリー。同時期にⅣはRUMの副作用で血を吐きプロを引退、凌牙の前から姿を消し、クリスやトロンと共にフェイカーのラボで凌牙の不老不死を解く方法を命を削って探し続ける。しかし、14歳から成長しない凌牙と二人きりで暮らし続ける璃緒が限界で発狂する方が早く、完全に鬱病で嵐の中で海に身投げする。Ⅳは璃緒を海から引き上げて助けて、抱き締めて、「うちに来い。全部オレのせいにしろ。お前は凌牙から逃げたんじゃない」と璃緒を逃がすためのプロポーズをする。形だけの嫁ぎ先、アークライト家で精神安定して少し回復した璃緒を、Ⅳは指一本触れずに、いずれ自由にさせてやるつもりだったけれど、Ⅳに惹かれる自分の本当の心に璃緒が気付きかけた矢先に、璃緒はⅣを車から庇ってⅣの腕の中で事故死する。Ⅳの腕の中で血塗れで微笑んで、ただ一度だけのキスを落とした璃緒は、Ⅳに血の味だけを残して永劫の眠りにつく。Ⅳはますます命を削って凌牙を人間に戻す研究に身を投じるが、三十代で帰らぬ人となる。その時初めてⅣの病気を知らされる凌牙は、Ⅳの葬式の直後にⅣのいた離れで、火を付けて焼身自殺を図るも失敗。目への負荷の為にデュエルを禁止されていたカイトがブチ切れて、凌牙を叩きのめす。「オレのラストデュエルの相手は貴様だ凌牙!懺悔の用意は出来ているか!」と凌牙を完膚なきまでに叩き伏せて、勝利と共に失明したカイトに、凌牙の精神はギリギリ保たれる事となる。
そうして時は流れ、凌牙を癒した遊馬と小鳥の一人娘も、老衰で天に昇る頃。たった一人になった凌牙はハートランドを離れて放浪する。凌牙が歳を取れなくなって200年。凌牙の前に100年ぶりに顔を見せた50代の見た目になったトロン、いやバイロンアークライトは、「長かったよ、ようやくこの胸のバリアライトが尽きるんだ」と凌牙へ笑いかける。
「けれど、君の事だけが気がかりだ。頼まれているんだよ、あの子に。オレのたった一人の友を、独りにしないでやってくれって」
そうしてやがてそのトロンの最期の言葉も風化する頃、未だに14歳の見た目の凌牙は、たどり着いたアルプスで、遊馬そっくりの幼い少年と、Ⅳと璃緒そっくりの双子に出会うのだったーーー
『アストラル。オレ、行くよ。やっぱりほっとけない。』
数百年前、遊馬がアストラルの手を握って残した力が花開く。やがて輪廻の輪に導かれ、集っていくかつての仲間の魂を継いだ子供たち。凌牙の呪いを解く為に、『もう一度』が動き出す。
『ああ、お前らと、歳とりてえな』
二体の龍、ヌメロンの鍵となったドラゴンたち。ここに居ない、『時を操るドラゴン』。
かつての凌牙の仲間達は、ネオタキオンドラゴンの復活に尽力し、遂に凌牙の体に掛かった時の凍結を解く事に成功するのだったーー

◇ ◇ ◇

→究極のバッドエンドからのハッピーエンドの極致にチャレンジした作品。我が家で一番バッドエンドと死に肉薄したルート。
希望の連鎖が『希望が人の形をしてやって来る』なので、同じ様にすぐそばのバッドエンドの連鎖が『不老不死凌牙』なのだ
一度書いてみて『こっからが引き返せない』まで書けたので、満足。筆者としては、ふれれら世界の全体像を捉えるのに役立った一作だったなぁと思い返します。
http://privatter.net/p/814006


Q.物置になっていたイリスの部屋、中身はどうした?
A.だいたいドルベやアリトたちに譲った
注釈)凌牙の成長期が来る前に運び出すのに困った類の物の山。男手がもう一つ無いと運び出すのが面倒なもの。
凌牙「正直、処分に困ってたモンとか使ってねーもんとかの山だったからな。エアコン入れて使わなくなった古い扇風機とかストーブとか、うちじゃあ使わねえ鍋セットとかかき氷セットとか、ガキん頃のスキーとか、客用の余ってる布団とか買ったは良いが着てねえ服とか、使ってねえギターやらキーボードオルガンやら、もらいもんの置物とか・・・使いそうで絶妙に使わねえもんを邪魔だってんで詰めてたら丸々一室占領してた。正直全部まるごと捨てても良かったんだが、運び出すのも二人じゃ手間でな。まぁ機会だったんでギラグとかアリトとか力自慢の奴らに頼んだら快く手伝ってくれたんで、欲しいもんは全部あいつらにやった。よくあのどろっどろの部屋が小綺麗になったもんだぜ

Q.現在のイリスの部屋の間取り
A.青いふかふかの毛の長い絨毯張りの部屋、壁際に子供用の小さなベッド、その周囲には白いクジラを模した大きなラグ。大きな布製の宝箱型のおもちゃ入れと、折りたたみのバイオリン型の小テーブルと、半円型の飾り本棚だけ置いて、襖の中に服。
凌牙「元は畳張りの和室の客間だったんだが、まぁ長年放置してたもんで畳もすっかり使えなくなっちまってな。
絨毯はⅣの奴が任せろっつーんで入れたんだがよ、これがもう明らかに桁が二つちげえ高級品で子供部屋だってのにうちじゃあ一番汚したらやべえ部屋になっちまって頭抱えてるそれ以来あいつに買い物は任せねえ。」

Q.意外な特技を教えて下さい(Ⅳ編 forイリス次元)
凌牙「家帰って来たらⅣが床屋でよくある白い布璃緒に掛けてメイクしてやがるからマジで何してんだこいつらと思った。」
Ⅳ「いや璃緒に押し切られて
璃緒「Ⅳさんはお化粧がとっても上手なんですわよ!(両手をパチンと叩いて)」
凌牙「何で男が化粧道具扱えんだよ」
Ⅳ「いや、言っとくけど、俺自分のツラは無理だからな?そーいうのは本業に頼んだ方が良いって。」
璃緒「ちょっと出掛けるのにいちいちプロのメイクアーティストを呼んでどうするの。TV出演してるⅣさんと一般家庭を一緒にしたら神代家は破産しますわ」
Ⅳ「うっいやそーなんだけどよいや、けど、言っとくけど俺だって人間用触ったのはアレが初めてだったんだからな!?無茶ぶりだったんだからな!?」
凌牙「何がどうしてそうなったんだよ」
璃緒「Ⅳさんが人形のメイクが得意ってミハエルさんから聞いたものだから、見てみたくなったの」
Ⅳ「メイクっつーかドールは何も描いてねえ顔に、アクリル絵の具で眉とか下まつ毛とか自分で描いて完成なんだ。確かにバランス見てリップ入れたりチーク入れたり化粧とは言うが、あくまで絵の具なんだからな?」
璃緒「女性のお化粧だって要するにお絵描きですわよ。材料がちょっと違うだけですわ。現にすっごく上手かったですもの、Ⅳさんきっとこっちでも食べていけますわよ」
Ⅳ「大袈裟だって、俺には無理だ」

※後々のⅣのハートランド大学造形科への進学に。

Q.意外な特技を教えて下さい(凌牙編)
Ⅳ「実は、意外に、凌牙は、絵心がある」
凌牙「今明かされる衝撃の真実みてえなツラで言ってんじゃねえよ」
Ⅳ「いやお前に芸術方面の心得があるっつーのがなんか」
凌牙「俺は今バカにされてるんだよな?」
璃緒「小学生の頃、コンクールで銀賞取ったんですのよ」
凌牙「あっ璃緒コラ出すんじゃねえ!」
Ⅳ「うわ、綺麗だな、イルカとクジラ?随分メルヘンチックな絵柄だな、絵本にでも出てきそうな」
凌牙「そういうリアクションされんのが嫌で見せねえんだよ(頭抱え)」
Ⅳ「いや、ほんと、すげーと思うぜ」

Q.意外な特技を教えて下さい(楽器編)
Ⅳ「璃緒(おまえ)は結構何でも出来るイメージあるけどな。ダンスだろ(※レディスノーホワイト)、アイススケートだろ(※自分の半分)、ピアノもやってたんだったか?」
璃緒「昔少しの間習っていただけですから、人前で弾けるほどの腕ではないですわ。もう指が忘れてしまいましたもの。Ⅳさんこそ、ヴァイオリンなんて、凄いですわ。」
Ⅳ「んいや、俺はピアノ兄貴みてえに弄れねえし。ヴァイオリンよりピアノの方が習うには高価だろ?」
璃緒「え、逆じゃありませんこと?」
凌牙「あー、こっちじゃピアノの方が習ってる奴多いイメージだけどな。海外だと逆なんだとよ。IIIの奴が言ってた。」
璃緒「まぁ、そうなんですの。知りませんでしたわ」
Ⅳ「兄貴は長男だからな、ガキの頃からちゃんと家庭教師付いてたけど、ヴァイオリンは父さんから直接習ったからいくらか自己流なんだ。父さんから習うのは好きだったけど、後継ぎと次男の期待の差みてえのを感じて少しコンプレックスに思ってた事もあったな

※「Ⅳとピアノの話」ではⅣがピアノを弾けるのですが、これは【母親が死亡した時期】が違う分岐パラレルです。イリス話ではIIIが母を覚えていませんが、ピアノ話ではIIIが覚えている年齢まで存命で、母が早くに亡くなったイリスや真夜中次元の方が、母の愛を受け取っていた時間が短くて、よりⅣのコンプレックスが強く人格的に脆い傾向にあります。

Q.Ⅳと璃緒の共通点について

凌牙「完璧主義と優柔不断って紙一重だぜ。最初の決断に完璧を求めっから一歩目が出なくなるんだ。」
凌牙「あいつ(璃緒)もこいつ(Ⅳ)も変な所で完璧主義だからな。何であいつらは、あんなに必死で完璧目指そうとすんだろうな。ちょっとでも理想から外れるとどっちも人目でてきめんに動揺しやがるし別に、どんなに無様でも、置いてったり見捨てたりしねえのにな」

Q.意外な話(璃緒・イリス話の住宅編)

凌牙と璃緒の現自宅は借家。ハートランドでは比較的一般的な、近代的な設計の2階ぶち抜き型の集合住宅。5LDK。玄関外はポストのある共通玄関門で、そこを鍵で入ると入口がたくさんあるタイプ。
一階は入り口直結リビングで、左右にトイレと脱衣所&洗濯場&風呂のある廊下を入ると、リビングダイニング兼用な一間。右手に対面式の新しいキッチンがあり、入ってすぐ左手には四脚式の食事用テーブル。向こう側左手には壁に埋め込み型のTVがあって、それを背にしてL字の長ソファがある。テレビ横にリビングに降りる形の階段。床はフローリングで、ソファ周りだけ絨毯。和室の客間が隣にあるが、物置になっていた。イリス話でのイリスの部屋はここ。階段がリビングに直接降りるタイプの設計なので、凌牙がトイレに夜中起きてくると、必然的にリビングを通ることになり、ここでソファで本を読んでいたりするⅣとかち合うのだ。Ⅳの部屋は凌牙と璃緒の部屋に挟まれた間なので、遅くまで何かをする時は、部屋の明かりを遅くまでつけておく事を二人に気兼ねして、リビングの読書灯で静かに読んでいるのである。
二階は三室。璃緒と凌牙の部屋は階段を挟んで反対側にあって、間にもう一室。ここがイリス話やⅣ同居話でのⅣの部屋となるが、これは実は璃緒が手放したがらなかった『父と母の寝室』の代わりである。
そもそも、二人暮らしだった璃緒と凌牙がここ(※凌牙と璃緒の前の中学校の学区)に引っ越してきた当初、凌牙はもう一回り小さな、リビング+璃緒と凌牙の部屋が一室ずつだけの部屋を借りようと思っていたのだが、まだ父母の死を受け入れたくなかった璃緒が、父と母の帰る場所を永久に失うようで嫌がったのが最初。学区の近くに手頃な物件は見つからず、学区の外れ気味(ややハートランド学園寄り)の4人家族で住むような部屋を借りたのが部屋数の多い理由。この時、通学や買い物に手頃なように、バイクを購入している。
璃緒はその後、小鳥たちと交流してよく小鳥の家に泊まりに行くようになるが、逆に小鳥たちを家に招くことは避けていた。リビングは海系の小物が多く、小学生だった凌牙と璃緒が喧嘩しながら集めた家財で少し統一性がなく、寄せ集めたような其れを璃緒が見せるのを少し恥ずかしがってリビングに招くのを嫌がるのだ。この家の構造だと、璃緒の部屋に招くには、必ずリビングを通らなければならないので。
大事なのは、その状態でⅣだけが唯一招かれるようになった事と、父母の寝室がわり、という璃緒の心の隙間そのものだった部屋が、璃緒の提案でⅣの部屋に割り当てられた事だ。
それは璃緒にとって、イリスが来た事で失った家族の空白がようやく埋まって前を向いた喜ばしいことでもあり、家族という意味で少しⅣに依存する傾向がゼロではない後ろ向きな面の証明でもある。なお、Ⅳは自分が当てられた部屋は「長く誰もいない空き部屋だった」事しか知らず、父母の少ない遺品が置かれていた部屋だったことは知らないし、知っていたら頑なに部屋に入るのを固辞していただろう。それを分かっていたから二人はその事をⅣに話さなかったし、この『家族』にはそうやってお互いに伏せた秘密がたくさんあるのだ。神代兄妹とⅣの間には、お互いが隠した秘密の数だけ距離とそれを埋めるまでのトラブルがあり、それがたくさんの紆余曲折を生んでいく。

※イリス話の背景裏設定です。神代家の部屋の間取りは実はこんなふうな配置になってました。
イリス話は、Ⅳと一緒に暮らし始めてから、ラストのイリスが小学校に上がるまでに、まだまだこれから描かなかったたくさんの紆余曲折や事件があります。それはこういう所に隠れてたりするのです。

例えば、火事の際に上からの落木で目を強打したせいで強い乱視になってる(※母と火葬場と歪んだ虹彩の描写参照)Ⅳは、その事を二人に告げたくなくて片目だけ家の中でコンタクトを入れるのですが、それはこのマップで凌牙が明け方にトイレに一階に降りてきたら、リビングの足元灯が付いていて水音がするものだから、覗いて知ったのです。
そのうち書こうと思っているⅣのド重の過去話では、リビングでテレビをソファに座って見ていた凌牙が振り返ったら帰宅したⅣが真っ青で、入口の廊下を渡ってすぐ右手のキッチンにふらついて吐いてぶっ倒れるシーンがあります。この神代家の見取り図知ってると案外色んなシーンで読みやすいかも?まぁ展開に合わせてちょこちょこ模様替えはするんですけどね。

Q.精神的に体調が悪い時、最初にどこに出る?(byイリス話)

凌牙「璃緒は姿勢に出る。猫背気味になって余裕が無くなって、普段はやたら几帳面な癖してもの出しっぱにしたり洗濯物放置しっぱなしとか、雑さが出てきたら一回寝かせねえとダメだな。限界になるとぐずぐずに甘えてきて泣いちまうんだ。」
Ⅳ「凌牙は圧倒的に顔色に出るな。足取りがふらついて、とにかく具合悪そうなツラしてる。イライラして璃緒相手に当たったりする頃には結構マズイな、自分で止まれなくなってっから体調最悪な癖してバイクで家飛び出しちまったりするしよ、回収に行くと路地裏で動けなくなってたりしてヒヤッとすることとかあるんだ。」
璃緒「Ⅳさんって具合悪くなるとまず食事に出るんですの。とにかく全然食べてくれなくって凌牙と何度も手を焼いてるんですのよ。酷いとどんどん目元に隈が出来て、あっという間に痩せてしまうし、それでいて絶対に仕事とか家事とか休んでくれないから、こっちが本当に気を揉むんですの。大体は一回熱を出して気を失うみたいに丸一日眠って、熱が下がると元気になっていることが多いんですけどそうまでしないと自分で止まれないみたいで、本当に見ててハラハラするの」


Q.家事の分担はどうなってる?(byイリス話)
(食事編)
璃緒「うちは二人暮らしを始めてからずっと当番制なの。Ⅳさんと暮らすようになってからは、Ⅳさんのお休みに合わせてカレンダーに書いて交代してるわ。凌牙はお寝坊さんだから、朝食は私とⅣさんが交代で、夕食は凌牙と私で交代してるの。週末はいつも凌牙がバイクでまとめ買いして作る約束でね、Ⅳさんがお休みの日ってあんまり無いのだけど、その時はシチューとかカレーとかポトフとか、冷凍出来るもの大鍋でたくさん作ってくれるから助かるわ。」
(洗濯編)
凌牙「あー、うちは基本的に『自分のモンは自分で』っつー約束だな。異性兄妹だしな、勝手に璃緒のモン洗ったら殺されっだろ
イリスの分は璃緒がやってるよ。あ?Ⅳ?あー、あいつの分は仕方ねえから俺がやってる。あいつのうちどいつもこいつも自分で洗濯する習慣が無えんだよ。メイドがやってたとかホテルのクリーニングだとか、親父と兄貴の白衣も職場で全部回収してるっつっててよもうこいつに洗濯機の使い方から洗剤の分量まで一から教えんのが面倒だったんだ。洗濯機壊されても困るしな。大体、苦労して教えた所であいつ基本的に洗濯モン干せる時間に家に居ねえし。それにあいつの服って寝巻き以外基本クリーニングなんだよな。家で洗う量もそんなにねえから、たまに俺と璃緒のクリーニング代もセットであいつ持ちで手打ちっつー感じで分担すんのが一番手っ取り早くて楽だったんだ。」
(家賃編)
Ⅳ「家賃?『このぐらいで足りるか?』って渡したら凌牙に殴られたんだけど。お前は家買い取る気かって。別にそれでも良かったんだがなぁ
俺としては家間借りする迷惑料とか、家事だって割と任せっきりだし、これからイリスの教育費だって積み立てねえとダメだろ?あいつらだってこれから進学あるんだし、あるに越したこたねえじゃねえか。その辺全部込みでちょっと色付けたつもりだったんだがなぁ。それ言ったら言ったで今度は『ちょっとじゃねえんだよど阿呆』って蹴られるし踏んだり蹴ったりだ。
結局家賃はピッタリ三等分で折半だし、つか案外安いんだなビビった。食費もなんだかんだであんま出させてくれねえし、俺としてはなぁ一応プロだぜ?ギャラも年俸もそれなりだし、別に今は父さんや兄貴からは金貰ってねえんだがなぁ俺が自分の力で稼いだ金で、家族に金出したいってそんなに変な事か?
仕方ねえから、イリスが小学校卒業する年齢と、あいつらが進学する年齢に降りるように教育保険掛けてる。父さんに相談したら、こういうのは形式が大事で、このやり方なら無下にはされないよって言うからよ。
あいつらは親の遺産で賄うつもりみてえだけど、あいつらにとっちゃ両親の残した最後の愛情だろう。残しておけるならそれに越したことねえよ。俺の自己満足だが、その手伝いが出来たらいいと思う。
……ん?生命保険?掛けてっけど?受け取り人はとりあえずまぁ長男だし凌牙にしてるぜ?まぁあいつなら多分上手く使……何でんな顔すんだ?」


凌牙は「可能な限り対等に」をスタンスに、璃緒は「弱点を補い合って」をスタンスに役割分担してるんだけど、Ⅳだけは圧倒的に凌牙と璃緒を養う「保護者」視点でライフスタイル組んでるからこういうズレが出る。凌牙と璃緒にとってⅣはこれから生活を共にする対等なルームシェア相手だけど、Ⅳは『父さん』への羨望が強すぎて自分を父親ポジションに当ててるんだよね。だから一家の大黒柱的ポジションをしたがるし、それで安心するし本人も幸せそうにするから凌牙も璃緒もだんだん懸念してくる。
凌牙と璃緒は、Ⅳに、凌牙と璃緒の為でもイリスの為でもない、当たり前な『自分のため』『今のため』にもう少しマージンを取って欲しいと思ってる。Ⅳは『家族の為』『家族の将来の為』にマージン取りすぎ。だからまだ18歳にもなってないのに、一向にⅣの部屋は空っぽで物が増えないし、Ⅳ個人の人間関係が全く広がってない。『家族のために費やすのが幸せで仕方ないんだ』と言うには、Ⅳの年齢は若すぎる。だからこの後のⅣの過去にまつわるトラブルで、クッション材が無くてⅣはあっという間に限界迎えて吐いて倒れることになる。

<神代家の資産設定>
凌牙と璃緒の遺産は基本的に弁護士管理になってて、小学生の頃に親戚の家を出て二人暮らしを始める事になった時に、成人まで月々定額が遺産から振り込まれる取り決めになった。月初に振り込まれると、璃緒と凌牙が個人で使うお金を最初に取り分けて、通帳は凌牙管理、家計簿は璃緒管理、というふうに上手く二人で分担しながらやりくりしてた。凌牙のバイクのメンテとか大きめの出費があると、月末はちょっとだけ厳しくなる感じ。浪費しない限り二人で成人するまで暮らす分には充分だったんだけど、璃緒の長期入院と火傷を消す高額医療でごっそり削れて、二人揃って大学進学やその為の引越しを考えるなら、奨学金のある場所じゃねえと厳しいな、という金額になった。が、璃緒の入院費用は後にⅣを通してトロンから補填され、紆余曲折を経て凌牙はそれを受け取っているので、その分でイリスを受け入れる金銭的ゆとりが生まれている。凌牙も璃緒も高校に入ったらイリスの養育のためにも共働きでバイトをしようと考えていたが、その金額はⅣが働いて補填したので、結果として二人とも大学進学(イリスの小学校卒業)までイリスに家で充分に付いていてやることができた。

凌牙と璃緒が断るつもりだったその金額を受け取ったのは、
Ⅳが「俺は母さん死んでから家の中ではほとんどミハエルとメイドの三人きりだったし、今思うとやっぱり少し、寂しかった。俺の代わりに、イリスには同じ思いをさせないでやって欲しい。」と、Ⅳから強い希望があったから。凌牙と璃緒が高校に入る頃、ちょうどⅣがプロの一時休業と芸大への入学を迷っていた時期で、Ⅳが「お前らがイリスのために働くってんなら、俺だけが働かねえで呑気に学校通ってる訳には行かねえよ」と苦笑いして芸大への入学を白紙にしようとしたのも主因。高校に通えなかったⅣの希望を蹴ってまで、自分達の考えを通す事が出来なかったのだ。

<Ⅳの資産設定>
・一方Ⅳは、家を出る時にトロンから大金の入った口座(外貨)を渡されているのだが、保険用のゴールドバーの保管キーだけ受け取って、他に譲渡される筈だった土地や運用資産や株や物件は全て受け取らずにトロンに返している。自分で稼いだって言える金で、あいつらと暮らしたいから。俺なら大丈夫だから。そう言って相続を辞退したⅣには、(かなりベースの生活がどんぶり勘定なⅣでも)かなりの間遊んで暮らせるだけの運用資産が本来入るはずで、それを全て断ったのだ。
それでもプロになってからの報酬が全てまるまる手付かずで残っていて(今までの生活費やカードの購入費は全て父親の一括管理だった)、Ⅳはそれで充分だと家を出た。
トロンとしては、次男が相続する分配にも金額的に満たないので、学校も出してやれなかった次男にもう少しせめて金銭的にだけでもしてやりたかったのだが、Ⅳが受け取らなかったので参ったなぁ、と眉を落としていた。Ⅳはトロンから預かった外貨には手を付けずに、自分のプロの収入だけで生活をしているのだが、それを知っているトロンが時折、Ⅳの口座に誕生日とか記念日とか、名目を付けていくらか振り込んでいるので、Ⅳはたまに記帳してそれを見るたびに、困ったような嬉しいような、そんな顔でまた使わずにそれを仕舞っている。
・Ⅳが初めてその通帳に手を付けたのは、Ⅳが芸大への進学を考えたとき。
イリスや凌牙璃緒への教育保険や生命保険の高額な積み立てをしていたⅣは、芸大への進学とプロの両立を目指すか、プロを一時休業して最後の機会となるだろう学校生活の四年間に打ち込むかを迷っていた。現実的にはプロの仕事を第一線で続けながら片手間に通うのでは殆ど芸大の授業には出れないも同然なのは分かっていて、それならば仕事に対して半端をせずに芸大を諦めるのが筋だとⅣは思っていた。けれど『学校生活』を諦めきれず、けれど今まで自分の収入だけで全てやりくり出来ていたⅣが仕事を休業するのは、恐怖が勝ったし今の家族に不義理なような気がしていた。四年ものブランクを経てプロの第一線に復帰できる保証などどこにもないし、Ⅳは今の家族に対する『大黒柱』の役割の放棄を怖がっていた。
・ぐるぐる考えすぎていたⅣに、トロンが芸大の費用を全て出して、
「今さら父親ヅラしても遅いかもしれないけどね。本当だったら、学びたい君の意思は親が叶えてやるべきものだったんだよ。今さらだけど、罪滅ぼしさせてくれないかい?」と、Ⅳの背中を押した。それで、Ⅳはプロを休業し、初めて父がくれた通帳に手を付けて、四年間を無収入のまま、その通帳で生活して卒業した。実際のところ、Ⅳのプロ時代の年俸は、四年ぐらい遊んでいたって完全に底を突くことはなかったのだが、どちらかというと父に貰った通帳から金額が出ていたのは、Ⅳの精神安定のお守りに効果大だった。
在学中もブランクを埋める努力を怠らなかったⅣは、少しのブランクで無事プロに復帰した。Ⅳは、第二線で仕事を続ける傍ら、芸大で学んだ造型を続けながら、大学卒業を控えて就職活動を始めた璃緒と凌牙に変わって家の家事を担当してイリスと過ごすようになっていく。以来、それまで精神的な振れ幅が大きくて重度のワーカホリック気味だったⅣは、これを機に精神的に随分落ち着いて穏やかになっていく。

・神代家のⅣの部屋は長らく空っぽだったが、アークライト邸のⅣの寝室にはたくさんのドールが居た。家を出る時に全て実家に預けて置いてきて、たまに悩み事があると年に一回程度は手入れをしに帰っていたのだが、造形科を卒業してから神代家の部屋に回収した。ミシンが置かれ、アクリル絵の具とシリコンの匂いの染み付くようになる部屋は、Ⅳのアトリエで、Ⅳの部屋が埋まる頃にはⅣは随分穏やかに振り返って笑うようになっていて、ようやく凌牙と璃緒の望んだ形での対等な家族関係が結ばれるようになっていく。
Ⅳは何かを保護修繕することを通してしか、自分の心の虚ろを癒せないタイプで、イリスや凌牙璃緒を通って最後にドールへ行き着いてから、自分の心に向き合う時間が増えてメンタルが安定したのだ。



Q.好きな時間帯と苦手な時間帯の話

<遊馬>
好きな時間帯:「んー、やっぱ昼間の明るい時間かな!こう、太陽が出てると元気出るだろ!朝もシャキッとして好きかな、まぁ寝坊しちまってあんま味わえないんだけどさ(笑)」
苦手な時間帯:「日が沈んでくるとデュエルできねえしみんな帰っちまうし、夕焼けの中歩いてるとちょっとだけ寂しい気分になるよな。」

<カイト>
好きな時間帯:「深夜だな。騒がしさがないし、星の出てくる時間が一番落ち着く。後は、『黄金色の』ああ、いや、違う。造語だ。昔ハルトとそんな話をしていたんだ。夕日が出る前、晴れた日だと、草木が少し色づいて光って見えるだろう。日が傾く前のほんのわずかな時間だが、その時間が好きだ、という話を二人でしていたんだ」
苦手な時間帯:「早朝は空気が澄んでいて嫌いではないんだが、どうにも徹夜明けには目に染みてキツイな。夏場の真昼の騒がしさと暑さも堪らん」

<凌牙>
好きな時間帯:「夜。暗くなってからの方が、あの頃(不良時代)は息がしやすかった。」
苦手な時間帯:「夕焼け。辺りがあんまり真っ赤だと、落ち着かねえ。嫌なことばっか思い出す。」
※凌牙は、眠る璃緒の面会で、誰も居ない家に帰りたくなくて、面会時間終了のギリギリまで病室にいることが多かった。真っ赤に濡れた西日の射す病室で、橙色に染まって返事を返さない璃緒の包帯姿は、凌牙の中に家族と引き剥がされる辛い思い出として刻まれている。

<Ⅳ>
好きな時間帯:「夕焼けの頃だな。昔は真っ赤な夕陽の中を、父さんやミハエルたちと手を繋いで歩いたんだ。トワイライト(黄昏時)も嫌いじゃねえよ。後は、そうだな、夜が明けてきた頃、空が少し明るくなって、深い青になるだろ。あの時間は、何だろうな、好きだな。」
※黄昏時は逢魔が時。Ⅳが人形に指を引かれて拾ってくるのは大体その時間。夜明け前の色は、凌牙の目の色に似ている。
苦手な時間帯:「完全に日が落ちちまうと、ダメだな。真っ暗だと、なんかこのまま夜が明けねえみたいな、そういう気分になるだろ。長い夜は好きじゃねえ。」

<トロン>
「日の出のトワイライト(薄明)を、こっちでは、夜明けの晩、この世でもあの世でもない時間、と言ったりするんだってね?なかなか、的を射てると思わないかい。
そうそう、逆に日の入りのトワイライトは、逢魔が時と言ったりもするんだっけ?ちょうどもうすぐ、だねぇ」
※トロンはその時間帯のことを、好きとも嫌いとも限定せず、ただ薄笑いだけを残して、仮面をなぞる

Q.「近しい人が亡くなる」
を何と表現するかの各キャラの違いと死生観(我が家の場合)

遊馬「じいちゃん?おれが産まれる前に死んじゃったんだって。会ってみたかったなー。」
※現実を現実通りに受け止めるタイプ。死んだらそこで終わり、というシビアな死生観の持ち主。可能な限り明るい話題で終わろうとする。

カイト「祖母なら、2年程前に鬼籍に入った。あと少しで3回忌だな。女手一つで俺とまだ赤ん坊だったハルトを育ててくれた、立派な人だった。」
※大きな器から溢れるように、人が亡くなった数だけ世界に生命が生まれる循環型の死生観の持ち主。大自然に育まれた影響で、動植物の命を人と同じように愛でる傾向にある。いつか命の器から出て行くことは次の命の養分であり、命の犠牲を躊躇わない。

III「母さまですか?僕はあんまり覚えてないんですが、僕が産まれてすぐにお星さまになったって聞いてます。どんな人だったのかな、トーマス兄さまは話してくれるですけど、クリス兄さまや父さまはあんまり話してくれないんです。」
※死を現実感のない優しくて綺麗なものとして捉えている死生観の持ち主。父や兄達が穏やかに母の思い出を語るので、その印象がそのまま死生観になっているのだ。

V「母様は身体の丈夫な人ではなくてな、ミハエルが産まれた後、なかなか体力が戻らなくて伏せがちになって、流行り病で、な。」
※死を突如理不尽に降りかかる事故のような物と捉えている死生観の持ち主。言明を避ける。父バイロンの失踪と死亡の疑いは、クリスにとって死を突如直面しなければならないものとして避けさせている。

Ⅳ「母さんか?会わせてやりたかったな、本当に綺麗な人だったんだぜ。今はーーー花の綺麗な、静かな場所で眠ってるよ。」
※死を眠りと安息、と捉える死生観の持ち主。身体は眠ったまま、魂は何処かから見守っている、という死生観の持ち主で、墓参りを不精すると、「最近行ってないから、母さんが寂しがるかもしれないな」とか「向こうはもう雪だな。寒がってねえといいけどな」とか、今そこに眠っているような懐古的な穏やかな言動をするのが特徴で、現実が辛いと死に惹かれる傾向がある。
花の綺麗な静かな場所=森の奥の霊園のこと。

トロン「妻かい?随分前に綺麗な所へ行ってしまってね。彼女が遺してくれた息子達には随分苦労を掛けてしまったからね、いつか旅を終えて会う頃には、きっとたくさん叱られてしまうな(苦く微笑む)」
※キリスト教的な天の国と煉獄の死生観の持ち主。地獄は存在せず、天の国に至るまで全ての魂に浄化の道の煉獄とその先の安らぎと天の国があるという死生観。キリスト教者に比較的共通しやすい死生観である。いつかまた会う日まで、しばしの別れ、という表現をする。
綺麗な所=天の国 旅を終える=煉獄を終え天の国に至る の意。

璃緒「母と父ですか?二人とも五年前に事故で亡くなりました。いいえ、寂しくはないですわ。凌牙が居ますもの」
※死は永遠の別れ、という死生観の持ち主。直接的な表現と綺麗な笑顔のギャップで、話題をぶつ切りにしてすぐに別の話題に移ろうとするタイプ。明らかに「触れられたくない」と拒絶するタイプで、まだ喪失の傷が比較的鮮明で受け入れたがらない。

凌牙「酷い事故だった。車の前の方は完全に潰れてて、前の席に居た父さんも母さんも、車体に腹を潰されてとても助かるような状態じゃなかった。あと少しハンドルを右に切ってたら、潰されてたのは俺の方だったんだ。」
※死は苦しみ、という死生観の持ち主。死ぬ瞬間の苦痛と遺された悔恨に共感を感じてしまうタイプで、悼む気持ちが強く、遺された側として可能な限り遺恨を引き継ごうとする事で安定を保とうとし呑み込んでしまう。死に直面すればするほどダルマ式に身動きが取れなくなるタイプで、『親しい人』の線引きの仕方に失敗すると病む。


【キャラの裏設定・プロフィール】

【Ⅳ】
好きなもの シチュー、スープ、レモン系のスイーツやレモンスカッシュ・酸味のあるチーズ・パイ・キッシュ
苦手なもの 生卵・納豆(生理的に無理)、生魚(得意でない)、蕎麦・醤油ラーメン(味は好きだが啜るのが苦手だし白い服に跳ねるから)、鍋(共箸の文化が苦手だった。今は気心知れた間柄でならむしろ好き) 傾向:全体的に食わず嫌い

【凌牙】
好きなもの 和食全般、薄味の物、(成人以降は)酒、辛いツマミ
苦手なもの ピーマン、タマネギ、甘い物全般(上質で甘さ控えめの和系は食べれる。抹茶も可) 傾向:安物を舌が嫌う

甘めのハッキリした味付けを好んで納豆や生卵や生魚を嫌うIVと、甘い物が苦手で和食好きな凌牙はハッキリ言って食事の好みが合わないのだが、唯一『火の通った温かいものを囲むのが好き』が共通点で、ラーメンやパスタなど麺類でお互い妥協する。

【ゆうま編】
・九十九遊馬はドンサウザンドの半身である。
かつてアストラルとドンサウザンドが戦った際、アストラルの半分とドンサウザンドの半分が散り、溶け合って、九十九一馬の元に現れ、クレバスで皇の鍵を授けた。現に、ドンサウザンドの記憶であるNo.96がアストラルに取り込まれたり、ドンサウザンドが見ていてアストラルが知らないはずの七皇の記憶が遺跡のNo.として存在する、など、アストラルとドンサウザンドの記憶は一部混在した形跡がある。
・その後、アストラル体として彷徨う半身は、皇の鍵を目印に九十九夫妻の子供として生まれた。遊馬の容姿は髪を下ろすとドンサウザンドに非常によく似ているが、これは肉体の魂=魄(はく)がドンサウザンドサイドで、心の魂=魂(こん)がアストラルサイドである事に由来する。アストラル世界の高潔さで、パリアン世界のカオスの生命エネルギー(希望)を扱った結果が、あの強い強いかっとビングとなっていくのだ。
なお、アストラルに欠けた心の魂の方に思いやりや調和や感情が含まれていたため、アストラル世界ではドンサウザンドと戦った英雄だというのにやがて冷遇されて、低次元に特攻覚悟で向かう役目を言い渡されていくことになるのだ。エナが「あなたは」と以前から知っていたように振る舞ったのは、かつてアストラル世界を希望で導いた昔のアストラルだったのだ。
・「魂のランクが同じでなければエクシーズ(ゼアル)できないはず。じゃあ遊馬は?」というエピソードが、アニメで皇の鍵の飛行艇の中でシャークや小鳥と共に語られて強調されている。故に遊馬の魂のランクが高いのは恐らく公式であり、魂のランクが周囲と違い高い。ふれれらワールドでは僕遊馬が萎縮していたのは幼心ながらに感じ取っていた「周囲と違う」という感覚が疎外感を生んでいたためで、出会った当初シャークに徹底的に絡んだのは「初めて仲間(魂のランクが高い(=バリアン世界出身)を見つけたから」という裏設定がある。そして真月もバリアン世界出身で同じランク。真月はココの遊馬の心の隙間に付け入ったのだ。
【凌牙編】
神代家は元々、和食もあるが父が海外を出入りする影響で洋食傾向の家だった。朝ご飯はパンと目玉焼きor卵焼き(砂糖)と味噌汁、という感じの和洋折衷のラインナップ。ちなみに凌牙は和食派で目玉焼きは醤油派。りおは洋食派で砂糖の卵焼き派。凌牙は甘いものが苦手なので卵焼きがあまり好きでは無いが醤油派なのでだし巻きは好む。
神代家で生活する事になる次元のIVは、卵は塩気の強いベーコンエッグにペッパー派。スクランブルよりは、甘めのフレンチトーストを好む。砂糖入りの卵焼きは初めて食べたがお子様舌なので非常に気に入った。りおの毎回作る卵焼きは凌牙に不評なので、IVに好評でりおが喜んだ。
ちなみに、凌牙が癖で二人分しか米を炊かずに足りなくなったり、IVはIVで癖で鍋で四人分で作り過ぎてしまったりを、最初の頃は何度も繰り返しては互いを指差して失敗をからかいあっていた。イリスがいる場合は2の倍数なので凌牙は後から気づいて二回やって問題なくこなすし、IVはぴったり四人分なのでこのイベントは発生しないが、りおは足りない二人分を三人で分け合ったり、残った一人分を翌日に取っておいて誰かのお弁当にしたりするのを嬉しがっていた。どっちも、「もう二人ぼっちじゃない」事をよく実感できるイベントだったので。

凌牙は外食は落ち着かないからと嫌う。神代家は基本自宅で、自炊を好むし旅行の際はレストランよりは旅館で部屋で食べるのを好む。りおを連れて親戚の家を出た後に、ファミレスで子供二人だと目立って周囲の視線を嫌った影響も大きい。
一方IVはほぼ外食派・レストラン派だったが、プロの接待で気を回すのが面倒で、元々誰かの手料理を食べる家庭的な雰囲気に弱かったのもあって、あっさり自炊派に転んだ。記念日には良いレストランのコースを頼むのだが、一度凌牙とりおを連れて行って凌牙の反応が芳しくなかったので、事情は知らないながら察して、それ以降は和風の旅館を手配するようになった。IVは未だに正座は割と苦手なので痺れて動けなくなるのだが、それを笑う凌牙はそれでも毎回迷わず旅館を選ぶIVのそういう所が、口には出さないが性格的に慕わしい部分だと思っている。そもそもIVは生魚が得意でなく、そういうところは刺身が鉄板でもある。けれど何かに付けてタコが出るたびに共食いを心配するIVに気遣いと遠慮は霧散して、IVもすっかりそれを楽しんでいるのでフカヒレを何かに付けて用意してくる。

凌牙の父は貿易商を営む資産家だった(凌牙の肩に傷を残した甲冑など)。代々それなりの血統と資産を持っていたがどちらかというと祖父の代に好景気で当てた成金の一家であり、元はメラグの方の分家なので血統的地位は低かった所にそれなのもあって親戚付き合いは非常に不良。むしろ冷遇されていたと言っていい。

実は凌牙は、父が貿易商で良く海外の別荘に行っていた影響で英語がかなり聞き取れる方だった。だが、とにかく『読めるが聞き取れない』事にしており、IVの耳に届く所ではそれで徹底している。(第一回トークhttps://privatter.net/p/1891130で答えている凌牙の返答は、実は、凌牙が明確な意思を持って吐いている嘘なのだ)実は、IVが以前、施設時代の関連で英語のスラングのキツイ男達に絡まれて追われている所に、偶然遭遇した凌牙に、IVが真っ青な顔で「今の、聞いてた、か?」と掠れ声を出したので、咄嗟に何も聞き取れなかったふりをした事に端を発している。漏れ聞こえた僅かな内容と様子から、とにかくIVが本気で触れられたくない内容だと悟り、以降、その時代の話題は暗黙の了解で振っていない。もしも、その時聞き取れたスラングをその気になって調べていれば、それが性的内容を含む物だということに行き着いただろうが、凌牙はこの時の一切を記憶から自主的に追いやったため自然に忘れ、弾き出される事実に行き着くことはなかった。
凌牙は元々、非常に自己暗示の強いタイプだったので、以降、徐々に英語に触れる機会が減り、成人する頃には嘘に身が追い付き、本当にあまり聞き取れなくなっていくので、IVには終ぞ上手くバレないままやり過ごした。ナッシュ戦で見られるように、『周囲の為に、するべき思ったことの為に、今までの自分を捨てる』傾向が強い男なのである。(この自己暗示性の強さが、失明IVのファイナルダンスでの心因性色盲に繋がっている)

【IV編】
IVの体に残ってる火傷(と目の損傷)とりおの体に残ってる火傷は逆比例になっている。同じ火事の中でどちらが多く被害を被ったかで分かれていて、
重症度はりおの順で重←⑴レディスノーホワイト>⑵イリス話>⑶ドルベ・失明IV次元→軽
で、
りおの体に残っている⑴レディスノーホワイトではIVは視力も体も無事に近い。ので余計に罪悪感。りおの体に残ったが軽症で消えている⑵イリス話ではIVの体には残っておらず(だから凌牙と風呂に入るのを嫌がった理由は、純粋に不慣れと自分の体の貧弱さである)、視力に軽度影響が出ている。ドルベとIVに縁のある次元は⑶失明IV次元で、りおの体に全く残っていない代わりにIVの体にはかなりべったり残っており視力への影響も一番大きい。
なお、IVの目の損傷は傷を受けた時の木材による強打と眼球の歪み(イリス話の火葬で出たのが強打時の歪な虹色)なので、イリス話で時々する眼鏡は乱視矯正。日常生活や遠くを見る時には特に影響は無いが、軽症の時は長く手元を見る針仕事の時、長い手紙を書く時など、手元を長く見て疲れてくると物が二重に見えてくるので乱視眼鏡が要る。重症の時はデュエルでARビジョンを長く使用していると痛みと影響が出るようになり、ここでデュエルに固執するか療養するかで失明か否かが変わってくる。
りおと凌牙に促されて眼鏡をすれば負担は軽くなり、逆にりおと凌牙に隠そうとした次元では無理が祟ったのだ。
なお、IVお前と〜のプロ次元では、凌牙を何年掛かってもちゃんと待とう、と腹を括った為、無理なデュエルを控えて公の場でも自主的に時々眼鏡もするようになった。全て解決してお互いがプロとして安定した頃には、IVが一緒に酒を飲みたがるので、同じトーナメント先などで同じ旅館に泊まって一緒に酒を持ち込んで露天に入る機会も出来たのだが、内股など見えにくい所には火傷が残っており、酒が入ると体温が上がって桜色に浮かびあがる。その頃にはお互い成人を超えているので、お互いに腫れ物に触れるようにはならず、柔らかに酒の肴にするぐらいにはお互いに過去を受け容れて笑っている。



トロンは遺言状を残していて、「Vがその存在と場所を知っていて、Ⅳが鍵を渡されていて、IIIがパスワードになる歌の名前を知っている」という話が今日降ってきた・・

バイロン失踪当時働き盛りの45歳。とてもじゃないがエンディングノートを考える時期じゃない。けれどだから、正式な遺言状が無かったせいで、クリスは欲に駆られた人々の偽の遺言状で、正当に継がれる筈だった遺産を放棄する羽目になった、よう。トロンはその際の反省を踏まえて、もう戸籍も無い今の自分でも、きちんとした書面を作って今の家のトロンの部屋に、小さな隠し金庫を作った。その中に、正式な遺言状が収められている。異世界のブラックホールを体に宿し、いつ何が起きるか解らない今の自分に、遺せるもの。クリスは父に遺言状の存在を告げられて、「そのようなことを、言わないで下さい、父さま」とその小さな膝に触れて跪く。そんなクリスの髪を撫でながら、けれど何も言わない。一番上の子は死というものに向き合うことを怖がっている。
一方、夜半にトーマスの部屋を訪れたトロンは、トーマスにゴシック調の非常に凝ったアンティーク鍵を手渡す。「君の好きそうな形に造らせてみたんだ」そう、それは実にトーマスの好むような造形で、鍵というより、人形に持たせる小さな魔法の杖を思わせるような形をしていた。けれど、意味を問う次男に、父は曖昧に微笑んで答えない。「君に、プレゼントだよ」
意味は、いつか、わかるよ。理由のわからないまま父に渡されるもの、それはどこか、あの璃緒との火事を引き起こしたカード、炎獄の祝福を思い起こさせて。
「僕からのプレゼントなんて、嫌になっちゃった?」
猛然と顔を上げたトーマスは、そんなことないっ、と必死な声を出す。
そんな、こと、ない声は震えていた。鍵を握りしめるトーマスの手も。
父さんがくれるものだったら、何だって嬉しい、何だって
震える肩は、それが、例え自分を傷つけるもの、でも。と。そう言っていた。
傅きながら震えるトーマスの髪を撫でて、ごめんよ、トーマス。と。声に出さないままに。
真ん中の息子は物を持たない。
そうして、ミハエルとお茶を飲むトロンは、ミハエルに歌を教える。恋歌だ。それは、ミハエルの母の歌。バイロンと亡き妻の思い出。
「綺麗な歌ですね。」
どうか、この子の生き写しの姿のように。この子の中に母の愛が流れんことを。
末の息子は、母を知らない。

自分亡き後。今度こそ3人ともが寄り添っていられるように。3人が揃わないと開かない遺言状。それぞれに欠けた物を補うように託した三つのキー。開いた中にある父の愛情が、息子たちの糧とならんことをーーー
という話



イリス裏話
『パパラッチの被害者は遊馬だった』
『だから、Ⅳはパパラッチの被害を、遊馬から自分にすり替えた』

イリス話の冒頭、Ⅳが潰した記者。
あれ、Ⅳが不味いと思いませんでしたか。紳士で通っているはずのⅣが、本性丸出しで残虐なファンサービスしている。逃して、何も手を打っていない。

Ⅳが、この後、記者に書き立てられる可能性、考えませんでしたか。
Ⅳは、そのつもりです。

これは、当初からあった設定。メイン軸じゃなかったのでサラッとしか描写しませんでしたが、イリス話のⅣは自己犠牲が過ぎます。Ⅳは、最初から、パパラッチの標的を、凌牙と遊馬から、自分にすり替えるために戦ったのです。紳士で通る自分の本性、という餌で、記者を釣ったのです。凌牙達から、目をそらすために。


パパラッチの内容を詳しく書くと、
①WDCで不審な敗退を遂げた神代凌牙
②九十九遊馬は神代凌牙と同じ学校
③たびたび神代凌牙に接触を求める九十九遊馬の姿が多くの人に目撃されている
という事実を繋げて、
「WDCで無名からミラクル優勝を遂げた九十九遊馬は、
同じ学校の神代凌牙はじめ、ゴーシュたち大会役員に八尾長を求めて優勝にこぎ着けた」というストーリーを、さも事実のように騒ぎ立てた記事。

ターゲットは、後ろ盾に乏しい遊馬。凌牙との記事を皮切りに、遊馬に疑念が次々向く一連の記事でした。
凌牙は、遊馬に『不正との関わりのイメージ』を植え付けるために、記事の皮切りに選ばれたのです。

これの為に、凌牙の事、つまりⅣとの決勝を嗅ぎ回っていた記者に、Ⅳの情報網が引っ掛かって、Ⅳは全貌を事前に知ることになるのです。

次いで、
⑴九十九遊馬は最初出場登録リストに載っていなかった(登録忘れを主催者権限でねじ込んだ。No.持ちゆえ、カイト側の思惑を考えると、必然の処置でしたね)
⑵天城カイト等他の本戦出場者と交流がある
⑶莫大な金銭も要求できるWDCの優勝特典を九十九遊馬は使用していない(実際は、金銭を求めず、非公式に夕陽の中でカイトと再戦をする、という希望が叶えられている)
⑷その後主催者のハートランドの関係者出入り口を行き来している九十九遊馬の写真
などが次々紙面に登って、
イメージだけで遊馬が追い詰められ、事実無根で怒りに皆が震えても何もできない、酷い記事になるはずでした。Ⅳは、この記事の下地を突き止めて、怒りと恥辱に打ち震えました。

「なんだ、これ」
Ⅳは手元の簡易デジタルデバイスを、軋んで宙の画像がぶれるほど力を込めた。手元で紙がグシャリ、と握り潰した。


これが出回れば、皮切りになった凌牙と遊馬の関係は、悪意にめちゃくちゃにされた筈でした。
この一連の騒動で、凌牙が責任を感じないはずがない。そもそも、不正の前歴のある凌牙と戦ったから、記者に遊馬が目をつけられた。凌牙は必ず自分を責め、遊馬の前から姿を消そうとする筈です。

そんな事は、あってはならない。凌牙も、父を助けてくれた遊馬も。
恩人の二人がが、悪意の喰い物にされるなど。
ましてや。
自分が凌牙を陥れた不正を皮切りに、衆目に晒されるなど、決してあってはならない。

他に協力を求めれば、凌牙の耳に入れば、防げても結局同じ様に遊馬と関わる自分を責めるかもしれない。
Ⅳは、一人静かに、動き出します。

事態の解決でなく、矛先を自分に向けさせるやり方で。

だから、Ⅳのやり方は強引です。凌牙と遊馬の記事は差し止めましたが、アレは、「紳士の決闘者Ⅳが裏では」という、新しい餌で記者を釣ったのです。次に記事が出回るとしても、凌牙と遊馬の記事でなく、自分の記事である様に。

そして、イリス話の冒頭に至るのです。

以上、裏話。
本編でここまで書くと、童話の様な雰囲気が崩れて毒が強くなり過ぎる。

でも、Ⅳが遊馬のでっち上げ記事に怒りと恥辱で打ち震える様子は、普段なかなか遊馬とⅣの強い精神的繋がりを書くチャンスが無いので惜しかったな、と思います。ここで供養。
Ⅳの心の根本的な部分に、遊馬への感謝はきっとあると思います。

【その後の後始末】
この記者の後始末は、トロンが密かに付けています。
続編アフターグロウの冒頭、Ⅳが炎の夢から醒めて家族とティーカップを傾けるシーン。Ⅳが少しだけ、父に気付かれているかもしれないと、示唆する描写があります。
Ⅳが痛め付けて心を折った記者の所在は、その後トロンの手によって住所や個人情報の類いが一部の人間に流されます。その記者が今まで喰い物にして来た被害者、に。トロンは人の復讐心を良く知っていますから、それを煽るのも利用するのも、造作もない事です。

【イリスを轢いたトラックの行方】
実はアレは轢き逃げです。
Ⅳから見た視点、パニックで運転手が欠けています。
そしてその後、一切小説に出てこない。
Ⅳは、イリスが轢かれて半狂乱でした。応急手当どころか、救急車を呼ぶ頭さえ働かない程酷い混乱と絶叫ぶりでした。

Ⅳがパニックになっている間、運転手が真っ青になって救急車を呼びました。が、救急車が到着する前に、Ⅳの余りの狂乱に感化されて事故が怖くなって逃げ出しています。Ⅳも、それに気が回るような状況ではなかった。Ⅳは運転手の顔どころか、存在すら憶えていません。
そして、到着した救急車は、Ⅳ視点ではいつの間にか呼ばれていて、半狂乱のまま一緒に乗って病院へ。イリスが手術室に運び込まれてランプが点いた辺りで、力尽きてようやく冷静になり、そのまま手術室の前の長椅子で力尽きます。

運転手も事実上轢き逃げとはいえ、悪人では無かったのでしょう。
運転手は後日、良心の呵責に耐え切れず警察に自首して、孤児院と示談に入っています。

実はそれまでの三日間、病院は事情を知る筈のⅣが大金置いて失踪したので、イリスの身元が不明でドタバタしていました。

Ⅳの顔が知れていたのが弊害で、病院はイリスの保護者を捜そうとするのではなくⅣと連絡を付けようとして事務所等に連絡を付けようとしていました。ところがどっこい、Ⅳに妹は居ないので虚偽情報として事務所サイドは話をそこでシャットアウトしてしまっています。
一方、孤児院サイドは帰って来ないイリスに誘拐を疑って警察に届けを出しています。Ⅳが有名人で所在が半端に判っていなければ病院もすぐに警察に問い合わせたでしょうが、ここのタイムラグでイリスの身元が割れて孤児院に連絡が行くまで時間が掛かりました。
凌牙にイリスの事情が病院から洩れたのは、その辺りの混乱に乗じたのも大きいです。



「失明Ⅳ」の裏話。

凌牙が大学時代、「写真部で水中カメラを借りてから、ダイビングで写真を撮るようになった」シーンがありますが

実はあれ、シャークは知らないけど、ナンバーズクラブ(委員長と徳之助)のお節介によるものなんですよ。

このシーンに出てくる、人数合わせを口実に凌牙に兼部を頼んだ&水中カメラを貸してくれた「写真部員」って、実は速水先輩(小鳥の写真を撮ってたナンバーズに取り憑かれた人)なんですよね。
凌牙の二つ上の大学の先輩で、人当たりのいい彼に委員長と徳之助が、シャークに関わってほしいとお願いしました。

凌牙がいたのはハートランドの外にある、そこそこ有名な総合大学の海洋科。
成績が良い委員長と徳之助だけが、そこを進路として考えていた。
徳之助たちが高校三年生の夏、故郷を出てから音信不通ぎみのシャークのことも気がかりだった二人は、進路見学にかこつけて、シャークが通っている大学の、夏のオープンキャンパスに出向きました。

二人は事前にシャークに遊びに行くとメールしましたが、返事は無し。二人はシャークを探しながらぐるっと学祭を見て回り、写真部の展示に差し掛かった時、目立つところに大きく小鳥の写真が飾ってあるのを見つけます。

「小鳥ウラ!」
「とどのつまり、どうして小鳥さんの写真が?」
「きみたち、小鳥さんの知り合いかい?」

「もちろんウラ〜!」
「とどのつまり、ナンバーズクラブの仲間ですからね!」
「!! ナンバーズ? キミたち、ナンバーズを知っているのかい?」

大学三年生、写真部部長の速水秀太でした。

自分たちが小鳥の同級生であること、仲間のシャークに会いに来たが見当たらないことを話した二人は、速水先輩が難しい顔をしているのに気付きます。
人当たりの良い速水先輩が教えてくれたのは、シャークは入学時点から学内でもかなり有名で、誰のデュエルも受けず、今は大学を休みがちなのだということでした。

「彼はその、有名だろう? デュエルの世界では」

Ⅳとの再戦を目指していた凌牙は、不正の汚名がありながら、再起を目指して目覚ましい快進撃を続け、一時はプロ入り間近な所まで来ていた。

なのに。
あらゆる意味で注目を受けていたその最中、突如プロの世界から消えてしまった。

大きな舞台を前に突然の失踪と不戦敗。今のシャークは、卑怯者と臆病者の両方の誹りを受けていた。

「僕はデュエルは引退してしまったんだけど、こう見えてWDCにも出ていたんだ。だから彼の事は知っていたけど……直接話したことは」

速水先輩は、ひどく優しげな風貌で、ためらいがちに言葉を選んだ。

「彼は入学した時から大学中の話題の的で、悪い意味でずいぶんデュエルをふっかけられていたけど……彼は、誰ともデュエルしなかったらしい。だから、その……
「とどのつまり、シャークの風評は最悪ですね
「オレ達はウラ事情を知ってるウラが、他人からみればデュエルから逃げた臆病者にしか見えないウラ」
「事情?」
「シャーク、急にカードが読めなくなったウラ」

委員長と徳之助は、困ったように顔を見合わせた。

「とどのつまり、色がわからなくなって、魔法かトラップか、通常モンスターか効果モンスターか、わからなくなったみたいなんです」
「! 目の病気なのかい?」
「そう単純な話でもないらしいウラ。みんな心配してたウラ。けど、ハートランドを出て音信不通で、どうにもならなかったウラ」


話を聞いた速水先輩は、しばらく考え込んだ後、「今の彼に必要なのは、デュエルから離れる時間なのかもしれないね」と。

それから速水先輩は、シャークを気にかけるようになって、シャークはシャークで、写真部の部長が昔はデュエリストだったなんて、大学を休みがちで周囲と関わっていなかったから気付かなかったし、翌年入学してきた委員長や徳之助とも接触を避けていた。

けど、二人はずっとシャークを気にかけていて、二人が入学して最初の学祭には小鳥ちゃんもきて、速水先輩は
「小鳥さんの写真は、僕の将来を決めた作品だったんだ。なのに小鳥さんには、償い切れないくらい怖い思いをさせてしまったことがあって……だから、僕にできることがあるなら」と、何かと気にかけてくれた。
シャークに「人数合わせの幽霊部員」として写真部と接点を作るアイディアを出したのは委員長だし、シャークに水中カメラを渡す件は徳之助が言い出したこと。

こんなふうに、シャークが自分のことでいっぱいいっぱいで気付かなかっただけで、シャークは大学時代、ずいぶんこのメンツに気にかけてもらってた。
これが、一連の裏側にあったお話。



ちなみに、四角四面すぎる気のある委員長と、邪道なことばかりする徳之助は、大学に入ってからはお互い補い合って、中学の頃よりも仲良くなってる。

中学のコミュニケーションと大学のコミュニケーションは違う。中学生の時は委員長がまっすぐで、徳之助が鼻つまみ者みたいな所があったけど、高校、大学と成長するにつれて、徳之助の方が要領よく周囲とコミュニケーション取るけど、逆に委員長がまっすぐ過ぎて、規則に厳しすぎて煙たがられるようになっていく。逆転していく。
だから、二人ともお互いを上手く補い合って上手いことやってた。

シャークの件、気にかけてたのが徳之助ってのは意外なようで、実はかなり的を射ていた。
「全部から逃げたくなる気持ち、オレはちょっと分かるウラ」
と言った徳之助は、母親に溺愛されてた病弱な兄が死んでいよいよ家庭内で居場所がなくなってた時期で、それで徳之助は家を出てこの大学を選んだので。


凌牙が借りたこの水中カメラ、速水先輩の私物です。

ナンバーズの効果でスクープ写真を撮りまくってた速水先輩、海難事故も取るために水中カメラを手にしてた、つまり負の遺産だったわけです。

それを、部に寄贈して、凌牙に渡るようにした。
彼は、写真とデュエルをする人。
写真は誰かと繋がること。遊馬にとってのデュエルが、速水先輩にとっての写真。

凌牙が海に潜るのは逃げたかったからだが、写真を撮って戻るのは、誰かと繋がっていたいからだ。
そうやって、周囲との接点を残しておいてくれた。速水先輩と、見守ってた二人のおかげで。

二人は成績が良かったので大学はどこでもよくて、でもシャークがいるから、学祭に来て速水先輩と知り合って、ここに入学すると決めた。縁が未来を育てていく。








適宜追加


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