@niziirononanika
名称:夢分析 The Interpretation of Dream
能力:
当哲学人睡眠時における影響。
同室に存在する人間が持つ欲望の実体化。多くは欲望の象徴である物品(ナイフ、蛇、食物等)の出現により表される。
当哲学人、人間の少なくともどちらかが哲学人超自我との接触後であれば、実際の欲望内容からかけ離れた、比較的安全かつ健全な物品が出現しやすい。
反対に、哲学人トーデストリープ&レーベンストリープとの接触(人間には認識不可能な哲学人であるため憶測となるが)後であれば、直接的な、特に性的な物品が出現する傾向にある。
これら実体化した物品は当哲学人の覚醒と共に消滅する。
また、同室で睡眠状態にある人間は、夢を見ることが可能な場合明晰夢を見ることになり、該当者が複数人いる場合は夢の中で対話等の交流を行えると証言する。このとき見た夢の内容は必ず記憶される。
当哲学人覚醒時における影響
当哲学人の持つ欲望の具現化。
同室に存在する物質(人間含む)が当哲学人の欲望の対象となった場合、哲学人の要望に則した外見的特徴に変化する。
これらの具現化は当哲学人が睡眠状態に移行するか、認識範囲外に移動するまで継続される。
また、このとき同室で睡眠状態にいる人間は過去の失敗体験や不快な体験に至る過程を夢で追体験する。多くの場合、不快な結果に到達前に回避し、成功体験や快適な記憶として認識し覚醒する。目覚めた後、過去の記憶そのものに変化はないが、過去の記憶に対する不快感の軽減が認められる。
彼の起きている場所こそが夢であるとの考察があるが、この思想は危険である。夢と現実を混ぜないように。
解説:夢分析は人間とぬいぐるみ両方を合わせて一哲学人と定義する。
夢分析-a(通称:シン)
光沢のある水色の髪と青い目の少年もしくは少女。身長150cm~165cm程度。虹彩には水色の横線が3本走っている。黒色の衣服を着ているが、七色の色彩と、水の泡が水面に浮かぶような模様が常に衣服と皮膚表面で動いているような認識阻害が発生しており正確な色の判断は難しい。
外見の要素は-aの欲望具現化能力により容易に変化する為、指標にすぎないことに注意。
人懐こく、抱きつき癖がある。また、小さな子供や小動物、女性、物静かな人物、肌触りの良いぬいぐるみ等を好み、それらを出現(外見の変化含む)させ抱きつくことで睡眠状態に移行しようとする。無重力状態や水の音に快楽を得るらしく、室内を水で埋めることを好む。
眠っている、落ち込んでいる、疲労している人物を見付けると声をかけ、所持する-b(後述)を乗せる、巻き付ける等を行う。子供をあやしている感覚でいるようだ。
特に、何らかの精神疾患を発症している人物を発見した場合は手段を選ばない方法で眠らせようとする。
痛覚は消失していると考えられる。如何なる損傷も覚醒時に再生する。睡眠時に致死的損傷を与えても同様。
覚醒状態であっても意識レベルはJCS Ⅰ-2~Ⅱ-2程度であり、自身の置かれている状況を正しく理解していない。反応も鈍く、大声で呼び掛けなければ応えない事も多いが、多用すれば耳栓等を作り出すため注意。
睡眠と覚醒の移行は容易であり、短期的に切り替わる上に周期は不規則である。
自称『分析心理学派夢分析』であるが、意識レベルの低い状態での対話しか行えていないため真偽は不明。
※欲望を煽る行為は禁止する。特に繁殖学的実験は担当研究員の審議の末に、許可を下されたもののみ行うこと。
夢分析-b(通称:セイ)
七色の光沢を持つ白蛇のぬいぐるみ。体長4m程度。尻尾の飾りより先の部分は煙状で、触れることはできない。中身は綿である。損傷部位は-aに触れることで再生する。
-aの覚醒と睡眠に合わせて開眼と閉眼を行う。
-aと引き離した場合は最短一秒、最長二時間で消滅し、-aの手元に再出現する。いずれも-aが-bが手元にないことに気が付いた後の現象である。
-a曰く『精神分析学派夢分析』または『夢診断』であるが、意思を持つのかは不明。
対応:■■大学附置哲学人研究所心理学部哲学人収容室を寝室とする。外出制限は実質不可能。
室内の水没と職員の溺死を避けるため、接触時は部屋の扉を開放すること。また、水の出現が確認された場合、水槽を作り出すよう促すこと。
定期的に哲学人超自我と面会させ脅威を低下させる処理について検討中。
スケジュール調整の難しさから保留です。
発見経緯:20■■/■■/■■ ■■県■■市の■■■■■■■■■にて開催されていたクリスマスパーティー中に多発した殺傷・器物損壊・公然わいせつ事件時に、出動した警官により眠っている当哲学人が発見される。その後哲学人犯罪の可能性があるとして哲学人犯罪取締課に搬送され、意識レベルの低さから責任能力はないと判断。
■■大学附置哲学人研究所にて保護・研究が確定する。
会場にいた一般参加者から哲学人トーデストリープ&レーベンストリープの声を聞いたとの証言あり。
実験記録
20■■/■/■
哲学人夢分析は収容室内を全て冷水で埋め、中に浮かんでいる。収容室の扉を開けたが水は外に流れ出ることはなく、扉部分に壁として存在し続けている。
■■■■研究員は室外から話しかける。
研究員「おはようございます」
夢分析「おぁよー、はいあす……」(おはようございますと言いたいのだと予想)
研究員「お話しいただいた能力と、こちらの推測の擦り合わせを行いたいのですが、構いませんね?」
夢分析「んぅー」
研究員「お話の通りならば、今の哲学人夢分析の状態は貴方自身の欲望によるものですね」
夢分析「(不明瞭な返答と思わしき言葉)」
研究員「では、貴方の意思によって現実改編を行えると捉えてよろしいのでしょうか」
夢分析「形を変えて……現れるから夢のんであっえむにゃうむ(不明瞭な言葉)」
研究員「欲望を脳内で満たすのが夢の役割である、でしたね。しかし、人の自制心はいくら脳内であっても赤裸々に欲を晒け出してはならないとする。故に、夢は当たり障りのないものに形を変える。そうですね」
夢分析「みゅう……」
研究員「貴方にこれらの行いが制御できているのか、他の心理学系哲学人の力が必要なのか。それが私の知りたいことです」
夢分析「せーぎょ」
研究員「はい」
夢分析「意思」
研究員「はい」
夢分析「みず」
研究員「はい」
夢分析「本当はこう」
室内を埋め尽くしていた水が肉塊に変化。肉塊はピンク色で、脈動しており、表面を透明または白濁色の粘液で覆われている。
■■■■研究員は動揺から半身を引いたが、肉塊から飛び出してきた哲学人夢分析の手に掴まれ、室内に引き込まれる。
夢分析らしき声「んふふふふ。おやすぅー……」
一分後哲学人夢分析が睡眠状態に移行し、肉塊は消失。■■■■研究員は酸欠により一時的な意識障害を表した。(その後の休息により回復)
このとき発生した肉塊の成分分析は失敗している。
事案1
20■■/■/■ 覚醒直後の哲学人夢分析が脱走。酷く混乱しており、研究所内の物品や人物を様々なものに変化させながら13:48~14:50まで移動を続けた。
繁殖学部到達後に睡眠状態に移行し停止。
以下は事案中に起きた主な変化である。
机→乗っていた資料、機材、備品が机表面に沈み混むように融合。
廊下→赤黒く変化。粘性の高い透明の液体が染み出す。
窓→赤黒く変化。ガラスが消失し穴が開く。
天井→大小様々な刃物が床に向かって伸びる。
■■研究員→衣服、髪、肌など可視範囲が白く変化。
■■研究員の持っていたボールペン→小型の鎌。
■■■研究員→直径25cm程の水晶玉。
■■■研究員の乗っていた台車→綿の飛び出した熊のぬいぐるみ。
哲学人■■■■■■→白い大型の鳥類。翼が消失している。
冷蔵庫→巨大なキャベツ。葉の隙間に冷蔵庫内に保管していた検体類が挟まっている。
検体類→揚羽蝶の幼虫。
■■■■研究員→一時的な肉体の消失。他者から感知されなくなったが、自身の五感は正常であったとのこと。
■■研究補助→腹部に巨大な穴が開く。痛みはない。
哲学人■■■■■■→[データ削除]※1
哲学人■■■→狼。※2
■■研究員→やや豊満な女性体。
彼に哲学人夢分析が抱き付き睡眠状態に移行。騒動は終息した。
■■研究員だけは女性体のまま半日経過した。その間、睡眠状態の哲学人夢分析がそばを離れなかったことが関係していると思われる。
また、彼は女性が苦手であり変身願望もないと、彼由来の欲望具現化であるという推測を強く否定している。
哲学人夢分析が混乱状態にあった理由は不明。後のインタビューでも明瞭な返答は得られなかった。
※1特性上、哲学人■■■■■■は自身の変化を認知できなかった模様。また、他者の容姿が変化したことも認識できなかった。夢分析の能力はクオリアに関わるものであり実在の変化でない可能性を示唆。
※2特性上、哲学人夢分析の影響か判断できない情報である。