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目が覚めたらエツィオに生まれ変わっていたので、家族生存めざします!

全体公開 3353文字
2020-01-21 19:11:20

第7話「家族が恋しくなりました」

Posted by @acbh_dmc4

伯父上は相変わらず俺を跡取りだ!と豪語して可愛がってくれる。
領地経営に関しても、俺の提案を快く採用してくれた。
アサシンの修業をつけて貰いがてら、僅かばかりの資金を元手に工夫してそれを増やすように努める。
少ない前世の記憶を頼りに15世紀には無い、未来の便利グッズを自分なりのアレンジでデザイン、発注して試供品を領民に使ってもらう。中々の宣伝効果でモンテリジョーニのみならず、他の領地とも取引した。
勿論俺のような子供が商売をやっても誰も相手にしてくれないから、伯父上や傭兵団の信用の置ける者に名義を借りて商売をしている。
伯父上は俺が自分の金を娯楽に費やすでもなく、モンテリジョーニの街を発展させるために使うのを目を丸くして見ていた。
だが、まだライフラインである坑道や井戸を直すので精いっぱいだ。
早くモンテリジョーニの地下にある先祖の墓の財宝を手に入れて街の復興に当てたいが、攻略するには如何せん手足の長さが足りない。
ジャンプするにも、やはりリーチがなければ限界がある。

一刻も早く街の復興をし、その次に軍事に力を入れたいのだ。
常に攻められても追い返せるほどの蓄えや、敵を跳ね除けることが出来る兵力を。
アサシンとして活動して尚、敵に備えられるようにしておかなければ。
そうこうしている内に月日が経ち、漸く待ち望んだ返事がもたらされた。

「エツィオ、お前にジョバンニからの手紙だ。それと、これは地図だな。コンスタンティノープルから届いてる」
「父上から!有難うございます!」
「しかし、お前の予言は大したものだ。詳細までは分からないとしても、お前が目星をつけた者達は軒並み捕縛し、奴らの企みを阻止出来ている。それでもお前の本命であるロドリゴ・ボルジアに関しては未だ対処が出来ぬままだがな」
「あの男は狡猾です。そう簡単にはいかないでしょう。俺も奴を追う為、一層気を引き締めねば
「お前がやる気があるのは喜ばしいことだがな、子供らしさが無くなってしまったのは少し寂しいが。お前はもっと甘えても良いんだぞ?」
「十分甘えさせて頂いております」
「ふぅむ。ならばこちらからもっと可愛がってやらなければいかんという事だな、よし!」

伯父上が俺の脇の下に手を差し込み、勢いよく抱き上げられた。
そのまま伯父上の肩に担がれ、慌てて俺は伯父上の頭にしがみ付いてバランスを取った。
そのまま屋敷の外まで駆け出して城壁までくると、街を見下ろす様にしてゆっくりと歩き出した。

「伯父上、手紙を読まなければ
「そのまま読めばいい。エツィオ、お前はもう少し俺に可愛がられなければならん。たまには子供らしくな」
「うーん、でも
「でもはなしだ!ほら、ジョバンニの手紙を読んでくれ。俺も気になるしな」

伯父上に促されて手紙を取り出す。
冒頭は俺の体への気遣いと鍛錬の成果が出ているか、そして家族の事が書いてあった。
優しい父上の筆跡を見つめていると、家族への恋しさが募る。
しかし俺はここで力をつけ、家族を必ず謀略から護らなければ、そう心を奮い立たせることにもなった。
そして次に続いたのが今回地図を送ってもらったその経緯だ。
俺が指定した交易所跡から入り口を見つけ、書物庫の鍵と共に送られてきた地図を見つけたとの報告だった。

俺の記憶が正しかったことが証明されてしまった。
家族の運命を変えたところで、進む道の険しさは変わらない。
これからの俺の過酷な運命も確定してしまったという訳だ。

「お前の予言は正しかったという事だな。それで、証明が出来たんだ。他にも隠していることがあるんだろう?それを言う気にはなったか?」
「ええ。警告をしなければ。父上たちはロドリゴ・ボルジアの陰謀で処刑されてしまいます。
俺は父上の使いで難を逃れるが、家にいた父上とフェデリコ、ペトルチオが絞首刑に処されてしまう。俺はそれを阻止したい」
「おい、それは本当か?!いつの事だ」
「俺の記憶では7年後アルベルティ判事が父上を裏切ります」
「うむ。まだ時間はあるな。だが準備をせねば」
「ですが、俺はその記憶とかなり違う動きをしてしまっています。予言と言ってもこうなってくると狂いが出ている筈です。
7年後と言わず、もし公開裁判に持って行かれるのであれば証拠をこちらで確保し、その場で反証する事も必要でしょう」
「分かった。ジョバンニの周りには注意しておこう。それで、お前はどう動く?」
まずはこの書物庫の鍵を全て手に入れましょう。出来たら教皇と懇意になり、テンプル騎士団には気付かれぬよう、宝物庫を開けられれば良いのですが
「だが予言は500年後の未来についてなんだろう?そう重要でもなさそうだが
「ええ、本来の狙いは教皇の杖を宝物庫へ封印する事です。アレは危険な兵器だ」

伯父上は俺の話を聞き、難しい顔で壁外の風景を眺めて居た。

「伯父上は何故俺の希望をなんでも聞いてくれるのですか?街の復興も、俺の提案を尽く受け入れてくれていますよね」
「お前の提案が理にかなっているからだ。ちゃんと利益も見込んで話をするだろう?
お前とそういう話をすると、子供と話をしていると言うより、経営者と話をしている気分になる」
「子供らしくない、ですよね
「だが、それで我々は助かっている。それに、子供扱いしてもお前は怒らんだろう?こうして肩車にも付き合ってくれるしな!」
「こういうのは体が小さい内しか出来ませんから。それに、こうして見下ろすのは巨人になったみたいで楽しいです」

伯父上が豪快に笑い声を上げ、優しく膝をポンポン叩く。
ゆっくりとそうして散歩をして、外壁門の上へと差し掛かった。街の整備が終わったら、次はこの外壁にも取り掛かりたい。

「伯父上、街が豊かになったらここにいっぱい大砲を並べましょう。それと、画期的な武器を考案する、素晴らしい芸術家がヴィンチ村に居るんです」
「ああ、お前がジョバンニに頼んで調べてもらっている例の少年か。確かレオナルドとかいう
「ええ。まるで悪魔のような凶悪な兵器を考え出すのです。ですが、防衛にはこれ以上ないかと。勿論彼の絵画も素晴らしいのです」
「そうか、それは我が家で雇わねばならんな!」

彼に対する支援は多い方が良い。確か若い頃のレオナルドは、暫くは苦しい生活をしていたと何かで読んだことがある。
早く実際に彼と話をしてみたい。そして彼と友人関係になれたらいい。
よく考えたら歴史に名を残している、とんでもない有名人と友達になりたいだなんて言ってるんだよな。
世界史でチラッと読んだレオナルド・ダ・ビンチと、アニムスを通して彼と交流した姿しか知らないが、アニムスの俺とはかなり親密だった。
彼と話をしている時の俺はとても楽しそうだったし、彼との交流で癒されていたと思う。
この世界で彼と、唯一無二の親友になれれば良い
修行を終えてフィレンツェに戻ったらベロッキオの工房にでも遊びに行ってみようかな。
もしかしたら少しだけでもレオナルドと話が出来るかもしれない。それから、フェデリコと街で遊びまわって、クラウディアは
置いて行かれたら怒るかもしれないからペトルチオとおそろいのお土産を買っていこう。
父上にはこれまでの成果を報告して、母上にもモンテリジョーニで作成しているアクセサリーを買っていこう。

目まぐるしく巡る毎日に忙殺されて、考える暇もなかった家族の顔を思い出し、少しだけ寂しくなった。

俺はその寂しさを振り払うように首を振り、滔々とモンテリジョーニの強化計画を伯父上に話して聞かせた。


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