X以外のSNSでの投稿にはPrivatter+がおすすめです

目が覚めたらエツィオに生まれ変わっていたので、家族生存めざします!

全体公開 3630文字
2020-03-24 15:15:36

第13話「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
AC4のハッキング資料で出てきた若りし頃のエツィオの絵はレオちゃんが描いてたら良いのになぁと

Posted by @acbh_dmc4

翌朝、父上から写本とアサシンブレードを借り、早速これからレオナルドの所へ行こうと支度をすることにした。
父上に礼を言って退出しようとすると、呼び止められた。

「エツィオ、もし件の青年の元へ行くのなら母に仲介を頼むと良い。調度絵を頼んでいたようでな。今日の仕事は気にしなくていい」
「そうですか!では、母上の元に行ってまいります」
「それから、すまないがそのブレードは出来れば早めに返してくれると有難い。仕事道具だからな」
「ええ、承知しています。恐らく一度見せればあとはこの写本の通り作ってくれるはずです」

父上に重ねて礼を言い、早速母上の元へと向かった。
中庭の薔薇を鼻歌交じりに世話をしている母上に意気揚々と朝の挨拶をする。

「おはようございます、母上。ご機嫌ですね」
「おはよう。ええ、とっても。貴方も帰って早々仕事で大変ね。働き者なのは良いけれど、しっかり休む事も大事よ?」
「ええ、心得ております。それで、本日はレオナルドの工房に出向くとか」
「ええ。頼んでいた絵の素描を見せて貰いに。お供を頼めるかしら?」
「喜んで」

以前にもレオナルドに会う前に同じやり取りをしたな、と懐かしく思う。
あの時と違うのは、俺はヴィエリとの衝突がなく、1年も早く彼に会う事になった事だろうか。
少しばかり緊張する。
だって歴史的有名人でもあるし、アニムスで体験したように、俺を友と認めてくれるだろうか。

母上に並び、レオナルドの工房へと進む。段々とあの工房に近づくにつれて、鼓動がうるさい位に高鳴っていく。
彼に会ったらなんて自己紹介しよう。
変に涙ぐんだりしないようにしなきゃ彼と俺はこれが初めての対面なのだから。

あっという間に見覚えのある建物の前へと辿り着き、ごくりと喉が鳴った。
母上が軽い調子で戸を叩くと、直ぐに返事があり、そして何かが机から転げ落ちる音がした。
そして一拍の後、勢いよく扉が開かれて、彼の有能な芸術家がその姿を現した。

「これは奥様!ようこそおいで下さいました!さぁ、こちらへ。まだ素描ですが、きっと気に入っていただけますよ」
「ええ、楽しみだわ。レオナルド、今日は私の息子を連れて来たの。エツィオよ」
「おお!あなたが噂のエツィオさんですか!初めまして、お会いできて光栄です」
「初めましてえっと、噂?」
「ええ、奥様からかねがねお噂は聞いています。なんでも、私の支援をするように進言してくださったのはエツィオさんだとか。お陰様で若くしてこんなに立派な工房を構えることが出来ました」

母上は一体どういう風に俺の事を伝えたんだ?
物凄くキラキラした目で俺を見つめてくるのでなんか気恥ずかしい。変な事を話されてなきゃいいけど
母上の方を向けば、ニコニコ笑顔でそんな俺達を見つめていた。
どうしたらいいかと戸惑っていると、レオナルドは名残惜しそうに俺から視線を外し、母上に素描のキャンパスを持ってきて説明を始めた。
俺もそれに興味深く耳を傾け、また彼の描く絵画の見事さに感心して見入っていた。
工房の中を見渡すと一見ガラクタのようにも見える何かの装置が所狭しと並べられている。
壁一面には手書きのメモが所狭しと貼られ、雑然としている。
まるで彼のおもちゃ箱だな、とそれらを眺めてこっそりと笑むと、母上に何事か頼まれたらしいレオナルドが興奮気味に了承した。
よくよく二人の話を聞くといつの間にか俺の肖像画を描くという話になっており、母上もレオナルドの提案に嬉しそうに同意していた。

「では、エツィオさんのご都合の付く日にお伺いするという事で」
「ええ、なんだったらこの絵は置いといて、エツィオの肖像画を優先してくれても構わないわ」
「本当ですか!これは腕が鳴りますね!誠心誠意頑張らせていただきますよ!」

にっこにこ笑顔でレオナルドが俺の両手を握ってよろしくお願いしますね!と言ってきた。
勢いに飲まれて俺もよろしく、と返すと母上からレオナルドに俺がここに来た目的を言うようにと促してきた。

「実は、複製を頼みたくて今日はここに来たんだ」
「複製ですか?」
「ああ。これが現物で、ちょっと面倒なんだが、これが設計図だ。暗号になっている」

レオナルドの前にアサシンブレードと写本を差し出す。
先ずは興味深そうにアサシンブレードを持ち上げ、しげしげとその構造を観察する。

「これはこれは実に面白い。古びているのに構造はきわめて先進的だ。こんなもの見た事がない。それでこちらがこの設計図ですかこれはまた複雑だな」

早速写本に夢中になるレオナルドを見て、母上を先に帰した方が良いかもしれないと思う。
修理するにも一日がかりだったし、複製となると数日はかかるだろう。
早速夢中になっているレオナルドに謝礼の話とか出来るだろうかと疑問は残るが。

「マエストロ、一旦母上と一緒に帰るよ。俺は送って行ったらまた戻るから」
「うーん、文字を並べ替えてそれぞれ三つ目の

まるで話を聞いていないレオナルドに、一応一声かけたのだしと思い、母上をエスコートして工房を出る。
母上を送る途中でやっぱり物言いたげなヴィエリを見かけたが、何故か寄ってこず、遠くからさも怒っています!と言わんばかりにそっぽを向かれてズンズンと去っていった。どこの女子だ。
絡まれなかったのをこれ幸いと、母上を家まで送り届けてからレオナルドの工房まで舞い戻る。
やはり夢中になって写本に向かっているレオナルドに苦笑しつつ、近くの椅子に腰かけて一通りの解読が終わるまで待った。


日もとっぷり暮れた頃、うとうとして居たら肩を揺さぶり起こされた。
眠い目を擦り、少しだけ不機嫌に声を上げると、物凄い笑顔のレオナルドが俺に声をかけていた。

「設計図の解読は終わりました。あと、これの複製についてなんですが、1週間程頂ければもしかして、こちらは急ぎですか?」
「ん、うん。出来れば急ぎでお願いしたい。あと、こういう物をまた持ってくるから、武器とかだったらまた作って貰いたいんだけど
「勿論です!まだあるのでしたら是非持ってきてください!待ってますよ!」
「うん、有難う」

ボーっとレオナルドを眺めて居ると、そういえば謝礼に関して話をしなければと気がついた。
どうやらこれから早速ブレードを作るつもりのようで、机の上を豪快に片づけ始めている。
一旦作業に入ってしまうと人の話を一切聞かなくなるので、慌ててレオナルドの腕を引いて向き合ってもらった。

「それで謝礼についてと、現物についてなんだけどそのブレードはいつ出動になるか分からなくて
「ああ、ええ、こちらはお返しします。製法はこの設計図に載っていますし。金額については後程計算してお知らせしても?」
「ああ。君の言い値で払うよ。よろしく頼む。絵の納期に関しても母上に最低1週間は延びるって伝えておく」
「有難うございます。ああ、今日はなんていい日だ!実は、貴方を街中で見かけた時に、是非お知り合いになって貴方を描いてみたいと思っていたんですよ。実は走り書きですが、スケッチがあります。それだけでなく、こんな摩訶不思議な暗号まで頂けるだなんて!全くミステリアスな方だ」

レオナルドは殆どキャンパスの素描とも言える大きさの紙に、街を歩く俺の姿絵を見せてくれた。
中々精悍に描かれていて、格好いい。なんか俺の肖像画を描く事になっているし、これを色付けすれば良いんじゃないかなと思って言ってみる。
すると、レオナルドは勢いよく却下して一から描かせてくれと言ってきた。

「これはなんというか、息抜きで描いたものですし、折角描かせていただけるのですからもっとちゃんとしたものを描きますよ」
「うーん、まぁそう言うなら楽しみにしてる。じゃあ、もう遅いから帰るよ。今度また時間が出来たら寄るから」
「ええ!いつでもどうぞ。お待ちしていますよ」

もっと話をしたいものだが、依頼した物は彼を夢中にさせて俺にまで構ってくれる余裕はないだろう。
夢中になると本当に周りが見えなくなる性格だし。
違わぬ友人の姿に思わず口元に笑みが浮かぶ。彼の情熱は此方まで楽しい気持ちにさせる。
夜の挨拶を交わしてレオナルドの工房を出ると、温かい気持ちで家路へと着いた。


前の話    もくじ    次の話


投稿にいいねする


© 2026 Privatter All Rights Reserved.